世界一のレストランが提唱する持続可能なビジネスモデル&タイパ時代に、なぜ“確認できないカメラ”が気持ちいいのか 25年12月第4号
忙しいあなたのためのマーケティング情報サプリメント。週に一度、厳選されたトレンドと洞察をまとめていきます。これを読めば「主要なトレンドをキャッチできる」、そういった想いで届けてまいります。まずはご登録をお願いいたします。
マーケティングトレンドインプット 今週のクイック解説3選
美容情報が「人工バズ」に汚染されているのでは?アルゴリズムハックの現状
※記事より引用
美容アカウントが、組織的にXをハックしている
最近、Xで美容商品を絶賛する投稿が増えている。投稿の特徴はこう。
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無断転載の美女の写真を使用
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顔を出さない美容アカウントで数万フォロワー
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PR表記なし、「普通の感想」のように見せている
こうした投稿とアカウントが、組織ぐるみで互助的に引用リツイートを重ねることでバズを生み出している。メーカー、広告代理店、インフルエンサービジネスを行う個人などが実施しているようだ。
架空アカウントが、互助会を形成している
これらのアカウントがフォロワーを集める手法は、架空のプレゼントキャンペーンだ。フォロワーを集めた後、別のアカウントに「転生」する。こうした架空の美容アカウントが互助会的に肯定的な引用リツイートを重ね、同じ商品をPRしていく。
現在のXのアルゴリズムは、ある程度公開されている。投稿直後のリプライやRT、画像掲載などが評価される仕組みだ。「質の高いPost」をフォロワー数に関係なく評価する設計だが、この仕組みがハックされている。
感度の高い人には既に気づかれており、すべての美容情報が疑わしいものになりつつある。
善意の情報提供者が、排除される
この構造は、ゲーム攻略情報でも起きている。ビジネス汚染された投稿の方がアルゴリズム的に評価されてしまうと、善意の情報提供者のモチベーションは削がれる。ゲームの攻略wikiは、SEOハックの企業wikiに汚染され、ほとんどの人気ゲームでは運営されなくなった。
日本ではステルスマーケティング規制が高まっている一方、こうしたアルゴリズムハックに対しては規制が効いていないのが現状だ。美容は個人差が大きいカテゴリであり、バズが先行することの問題は大きい。
信頼できる個人アカウントを、公式化する
この状況で重要なのが、個人でしっかりと使用感や結果までレポートする美容個人アカウント。
米国のセフォラは「セフォラスクワッド」と呼ばれるマイクロインフルエンサーを公式化する制度を展開している。こうしたインフルエンサーを介して、エンドユーザーに情報がデリバリーされている。
プラットフォームと業界、両方の自浄が必要だ
この流れを止めるには、2つのアプローチが必要だ。
第一に、プラットフォームや政府への働きかけ。アルゴリズムハックに対する規制やペナルティの強化を求める。第二に、広告業界全体の自浄作用。PR表記の徹底、互助会的なバズ施策の自主規制、信頼できる個人アカウントの公式化——業界が自ら信頼を取り戻す努力をしなければ、すべての情報が疑われる時代が来る。
アルゴリズムは中立ではない。ハックされれば、善意は排除され、操作された情報が勝つ。この現実に、業界は向き合う必要がある。
イーロン・マスク、次は“テスラ印の飲食店” 最新観光スポットの全貌
テスラが、ダイナーで「充電待ち時間」を体験に変えるチャレンジ
ロサンゼルス・ハリウッドに、テスラダイナーがオープン。早くも人気の施設に。公式によればこの店舗は「Supercharging station + クラシックなアメリカンダイナー + ドライブイン」の複合体。2階建ての店舗で、チャージングステーションに接続しながら車内でも食事できる。車内注文はTesla車から可能。ここは単なる飲食拠点ではなく、テスラの強みを体験ベースで可視化する旗艦店といえる。
充電待ちが、シームレスな食事体験になる
注目すべきは、UXの設計。Tesla車で事前に注文しておくと、店に近づくと自動で注文が流れ、調理が開始される。あまり待たずに食べられる仕組みだ。さらに充電ポートに接続して待っていると、そのポートに食事を運んできてくれる。決済はテスラアプリでシームレスに完了する。
つまり「注文だけしてダイナーの充電ポートにつなげれば、勝手に食事が運ばれてきて食べられる」という超シームレス体験だ。
しかも、ダイナー独自で提供しているエンタメコンテンツを、店内だけでなくポート接続中は自分のテスラ車のスクリーンで見ることもできる。優れた充電時間を、テスラのUXの一部として組み替えている。
レトロフューチャーな空間、だが本丸はUX
店舗自体はレトロフューチャーなデザインで注目されている。しかし本丸は、このUXにあるといえる。開業2週間程度でメニューが大幅変更したり、シェフが離脱するなど、ある意味テスラらしいバタバタも起きているが…車のハード的な価値だけでなく、サービス価値も含めた体験拡張は本当にうまくいくのか。来年の展開に注目!
「体験」を重視する“脱・タイパカメラ” 富士フイルム「X half」
富士フイルムが、「不便なカメラ」で若者を獲得
富士フイルムが2025年6月に発売した『X half』が売れている。見た目もレトロでかわいいが、人気の秘訣はフィルムシミュレーション機能だ。フィルムカメラのような撮り味を再現でき、フィルムカメラを懐かしむ壮年世代だけでなく、若い世代にも売れている。
撮り終えるまで、写真を確認できない特殊なUX
注目すべきは、あえてUXに制限をかけている点。
このカメラをフィルムカメラモードに変更すると、設定した枚数を撮り終えるまで背面の液晶ディスプレーで確認できなくなる。フィルムカメラと同じ仕様だ。すべて撮り切ったら、スマホアプリ上で「現像」する。
デジタルカメラなら、その場で写真を確認できる。あえて「不便」にするこのモードのアプローチは非常に特殊だ。そして、この体験こそが支持を得ている。
1枚の価値が、UXで実現される
一定枚数撮るまで写真を見られないため、スマホカメラのような連写・大量撮影ができない。「いつ、どうやって一枚の写真を撮るのか」という撮影自体の尊さ、1枚の撮影の価値がUXによって実現されている。
「不便益」が、価値になっている。
デジカメが、若年層を中心に復権中
このカメラに限らず、若年層を中心にデジカメが復権中だ。
みんなが持っているスマホにもカメラはついている。しかしデフォルトの撮影機能は、美しく自動で修正される傾向にある。「加工疲れ」の文脈の中で、あえて自然でレトロな映りを求める層がデジカメの写真に魅了されている。スマホカメラでは修正される(あるいは起き得ない)白飛びやノイズすら、ポジティブに受け止められている。
リコーのGRシリーズは需要過多で常に抽選販売、キヤノンのPowerShot G7もプレミア化している。そんなカメラで日常写真をローファイでレトロな写真として思い出に残し、SNSに投稿するムーブメントが起きている。
加工していない、自然「風」が感情を刺激する写真になっている。
これはnano-bananaで再現したものですが、こんな写真を良くInstagramで見かけますよね。
源泉かけ流し!今週のマーケティング関連トピックス(今週は10個ご紹介!)
新宿駅で遭遇、Mrs. GREEN APPLEのドームツアー告知広告。
ミセスの広告、面白いですね~
さすがに過去の売れ行き的に、売り切れは想像できたと思うので、初めから「感謝を広告にする」と決めていたのかな。
ファンとのつながりが強めのミセスらしい「勢いを可視化」する施策。
ロート製薬、新卒採用の書類選考を廃止 生成AI普及でES均質化
ロート製薬は新卒採用の書類選考を来年実施(27年4月入社)からエントリーシートによる書類選考を廃止するらしい。
原則対面で面接を実施、グループワークなど混ぜて内定を出す。
エントリーシートという画一的なフォーマットだと生成AIハックは容易で形骸化が始まってる。
重機ファンがファミマに集結 日立建機が温める1,000人の新経済圏
ファミマで印刷できる重機のブロマイドや、BtoC向けの重機コミュニティ運営など、BtoBを主業とする日立建機がBtoC向けのファンサービスを展開。
背景には建設業界の慢性的人手不足がある。
しかも就業者は高齢化。
業界全体課題に、根強い人気のある乗り物としての重機の「アイドル化」で対抗する。
なぜ今、オールインクルーシブに予約殺到?“旅行離れ”でも売上過去最高の現場を取材
オールインクルーシブホテルが好調。
インフレ環境下、かつ世の中に情報があふれる中で、オールインクルーシブは
・金額は明確に決まっているので予算計画が容易
・現地で追加費用の心配がいらない
と、タイパ・コスパの双方に優れているということ。
かつ、宿泊以外の諸々も混みでお得感も強い。
Book Charts
音楽のイメージが強いビルボード、実は「本の人気ランキング」であるBook Chartsをはじめている。(世界初)
音楽と同様に複数の数値を統合していて、
・紙書籍
・電子書籍
・図書館貸し出し
と多面的な数値で集計。
信頼性のあるチャートはメディアとの相性が良い。本のヒットを加速させるか。
ストリーミングチャートの旧譜偏重問題 ~リカレントルール効果検証 (2025年第4四半期時点)~
ビルボードジャパンの年間ヒットチャートが発表。
なんとTOP10にミセスが5曲。完全に無双状態。
実はビルボード、リカレントルールという新しい集計方法を下期より投入。これってどんなルールかというと…
音楽サブスクが当たり前になった時代、「新曲」のパワーが相対的に弱まり、旧譜の割合が構造的に上昇する傾向にある。
リカレントルールは一定の基準に達した旧譜をチャートからポイント減算する措置。(ちなみにレコードが会社のほとんどが賛成している)
添付の画像が発表された年間HOT100なのだが、2025年下半期にリリースされた曲でTOP10 にいるのは米津さんのIRIS OUTのみ。
歴史的なストリーミング再生数のスピード記録を持つこの曲ですらも、実はリカレントルールが無ければTOP10には入れないらしい。
その意味ではルール変更の効果はあったと言えるだろう。(ミセスがすごいことは変わりない)
音楽サブスク、ストリーミングが当たり前の時代に新曲が聴かれ定着することは難しい。一方で適切な新陳代謝はカルチャーの醸成には不可欠。
少なくともリカレントルールはポジティブな影響を与えているかもしれない。
住信SBIネット銀行とFANY日本一”遊び心”のある銀行サービス「FANY BANK」12月22日より提供開始
お笑いの吉本×住信SBIがなんと金融サービスを提供開始。
・給与受け取り口座に指定でカタログギフトをゲット
・吉本のリワードにポイント還元
・住宅ローンを借りるとよしもと芸人が新居の手伝い(!?)
など
お笑いファンの熱量は相当高いので、金融で囲い込むのは合理的な設計。
ジリ貧の日本の新聞社とはまったく違う…NYタイムズの1,000万会員が「ニュース」より熱中する"意外なサービス"
1,000万人のサブスク会員を持つニューヨークタイムズ。
その強力な特典が面白い。
ただメディアが見られるだけでなく
・クロスワードのカジュアルゲーム
・不動産ニュースと検索
・クッキング動画
・商品レビュー
・スポーツニュース
など複数のサービスが利用可能になっている。
現実的に単一メディアにお金を払い続けるモチベーションの維持は難しく、これがメディアのマネタイズの難しさに繋がっている。
ニューヨークタイムズは買収などによるコンテンツの多様化に舵を切り、コンテンツを中心に置きつつも続ける理由を多数用意する生活総合サービスの様相。
BitStar、2025年「インフルエンサーパワーランキング」を発表!
日本のYoutubeチャンネル、総再生数ランキング。
なんとSPOTVNOWが1位に。これはスゴいですね。
今年からかなりのアクティブ運用をしていて、例えばMLBワールドシリーズでは超リアルタイム爆速で編集して、1試合から5~8本ぐらいの動画を生産。
スポーツという強力なコンテンツをフル活用。
2025年ヒット商品番付、横綱は「大阪・関西万博」「国宝」
毎年恒例、2025年のヒット商品番付。
今年は誰もが納得の結果なのではないでしょうか。
両横綱は万博と映画『国宝』
全体的に今年はコンテンツのヒットが多かった年かなと思いました。アニメと実写の邦画2大ヒット、switch2の発売、ラブブなど…
海外現地調査レポート:コペンハーゲン・noma 世界一のレストランに5回輝いた、高級レストランの価値を変える存在
私は昔から食べ歩きが好きだったのですが、ミシュランの星を取るようないわゆるファインダイニングと呼ばれる高級料理店にも通うようになったきっかけがあります。
それが『ノーマ、世界を変える料理』という映画を見たこと。単純な美味しさだけでなく、カルチャーやアートの側面も取り入れた「料理を通じた世界レベルの体験」を創り出す世界があるのだ、と知ったからなんです。魅せられたといってもnomaがあるのはコペンハーゲン。そう簡単にはいけないので、日本や台湾、インドネシアなどnoma出身者の店に行き、そして京都でのnomaポップアップに行き…と経験する中で、遂に今回、コペンハーゲンのnomaその店に行く機会に恵まれました。(というか頑張って予約を取りました)。
実はnoma。常設店としての高級レストランとしての通常営業は終わっています。コペンハーゲンに行けば食べられる、というわけではありません。2025年もコペンハーゲンで食べられるのは数か月のみ。来年は数か月間ロサンゼルスでポップアップするとのこと。なぜなのか?それは圧倒的に手間がかかるファインダイニングのビジネスモデルの問題にあります。
渡した訪れた際、nomaのゲストは1回におよそ60人程度。そこでは10数品のコース料理+ペアリングを提供するために、およそ50人のスタッフが働いています。更にR&Dなどの部門も含めれれば総勢100人程度。nomaの食事代はペアリング込みで10万円超えと高額であるものの、使っている人数を考えればこのビジネスモデルはサステナブルでないことはなんとなく皆さん分かるのではないでしょうか。手の込んだ料理をつくればつくるほど、人は多く必要になる。なので、しばしば高級レストランでは修行の名のもとに低賃金での労働や無給のインターン、そして長時間労働が正当化されることが多いんです。noma自体もそうした批判にさらされていました。
単純に巨大な常設店でのコース料理、では続くモデルにはならない。そこで現在のnomaは「noma 3.0」と称し単純なレストランではない営業をしています。
・レストランはコペンハーゲンに限らず、米国や日本など幅広いエリアでポップアップ的に実施する=体験の極致としての提供&世界への接触者の拡大
→日本ではエースホテルで実施していましたが、パートナーシップを活用することで常設店舗の負担も減らしている
→世界を回ることで味の研究力をさらに高めている
・Noma projects:物販店舗&ECの運営。Nomaで研究した味を調味料や食材に変え、全世界に対して販売する
・Taste Buds:会員制プラン。最新フレーバーを会員限定で試せたり、レストランの優先予約が可能なファンコミュニティ
・Noma kaffe:毎月2袋の豆とコーヒーに関するコンテンツが届くサブスクリプションプラン
このように複数のビジネスを組み合わせ、かつ定常の高級レストランの負担を減らすことにより、持続可能なモデルを模索している。世界を対象にし、かつ世界を相手に複数のキャッシュポイントを作る。その中核にnomaでの強力なブランド体験がある。そんな仕組みになっているのです。
nomaに対する熱い思いを書いていたら長くなってしまったので、どんな食事だったか?どんな体験だったか?はまた別の機会に書きます!
明日から効く!マーケティング/ブランディング関連書籍レビュー
言語化するための小説思考 小川哲
『地図と拳』で直木賞、その他にも『君のクイズ』『ゲームの王国』などの名作を著作に持つ作家、小川哲が書いた「小説思考」の本。めちゃくちゃ面白いし、小説の読み方も変わるような読書体験です。
そもそも小川哲の作品は価値観に縛られない独自の世界観を持っていて、例えば『地図と拳』では架空の満州の街を舞台にした群像劇を周囲の人物視点のみで描く、という手法をとっている。『ゲームの王国』ではクメール・ルージュ時代の群像劇から近未来へと話が展開。読者のこうあって欲しいという期待を裏切るプロットの構成がどんな思考法からきているのか?がこの本を読むとよくわかる。
この本は「小説思考」と書かれているが、実際は「ストーリーテリングの教科書」としても読める。小川哲は小説というフォーマットの中で、どうやって読者にポジティブな、あるいは強力な体験を創り出すか、に関して非常に自覚的に設計している。この手法はあらゆる「伝えること」を意識する人にとって有用なのである。例えばプレゼンや商談、こうしたニュースレターでも、すべてに通じるメッセージ設計が学べる。単純が「言語化」ではなく(そもそもそうした言語化ブーム自体に小川哲は警鐘を鳴らしている)、読者が何を知っていて何を知らないか、読者は何を期待しているのか、など単なる言語だけでなく、コミュニケーションとしての「語り」を考える、ある種の読者へのサービス精神に触れているのは、そうした考えによるものだろう。優れた語りとは優れたおもてなしである。
・必要十分な言葉で伝える
・一方通行ではなく対話的に伝える
・読者の視点を想定して検討する
・アイデアを物語にどう育てるか
などここまで考えればそれは面白くなるはずだ、と確信できる内容。
偏愛!なんでもインプットコラム
M-1の新王者たくろうの漫才の特殊性。スキルフルになる漫才の世界で「キャラ」と「構造」で輝く
お笑い好きとしては今年のM-1グランプリは非常にレベルが高い大会だった!と言っていいと思います。1組目のヤーレンズから始まり、最後のママタルトまで。大外ししたコンビは1人もおらず、結果的には最下位となっためぞんも「史上最も面白い最下位」とXで言われているぐらいには白熱した戦いだったと思います、ということで熱が冷めやらない中、個人的な考察をここにしたためておこうと思います。
近年のM-1グランプリ(あるいは他の賞レースも含めて)は競技化が過熱している傾向にありました。そもそも漫才自体が分析され、また高学歴化もする中で、どんどんハイレベル化。その極致が漫才を「過剰考察」した令和ロマンの2連覇、という結果につながりました。(一方でバッテリィズが2位になるように、技巧化する中で分かりやすく楽しめるキャラも求められはいた)。
そんな技巧派×競技化の潮流の中で、今年初決勝で、かつファイナルラウンドに進出したたくろうとドンデコルテがキャラクターを軸にした漫才をやっていたのは、また1つの新しい流れを感じずにはいられなかった。ドンデコルテはおじさんキャラだけどカリスマ的語り口という渡辺さんを軸にしながら、構成をしっかり展開させるというボケ数スタイルとは違った方向性で2位に。そしてたくろうは更に特徴的で、赤城さんのキャラクターを全面に押し出し、そして誰もツッコみをしない、という独自のシステム。
昔からたくろうは実力派だったのでいろんなところで漫才を見る機会があったんですが、昔はシンプルに「挙動不審な赤木さんのボケ」に対して常識人のきむらさんが突っ込む&追い詰めるというスタイルだったんですよね。それ自体もそこそこ面白かったんですが、M-1決勝・優勝、というにはやや開きがあった。
今年彼らが披露した漫才は、赤木さんが追い詰められて挙動不審になることは同じです。でも見ている側の感覚は全く別になっていた。きむらさんが「それはオカシイ」と突っ込むのではなく、きむらさんが翻弄する側に回ることによって、挙動不審になる赤木さんの人間性が立つ。そのキャラクターが「変な人」ではなくむしろ可愛げになって明るく楽しい笑いになっていく。もちろん赤木さんの絶妙な間があって初めて成立するわけですが、役割を少し変えてもともとのキャラクターをより輝かせる、というアイデアはめちゃくちゃ面白かったです。
この漫才は「ツッコミ不在」なんですよね。ただ2本目が1本目より質が高かったのは、完全な大喜利漫才でなく、そこに展開も足されていたからでしょう。2本目は最初は赤木さんがきむらさんに突っ込んではいた。でもおいていかれる中で、大喜利漫才に展開し、そして赤木さんの不安がズレから、投げやりな感じに昇華する。一貫して赤木さんのおかしみは伝わり続ける。「すごさ」でなく「しょぼさ」が観客の心の中のツッコミになって笑いになる。お笑いって面白いなあと思ったたくろうの大爆発でした。
今週の1曲
Silica Gel - NO PAIN
韓国のインディロックバンド、Silica Gel。今年のフジロックでたまたま見て、曲が良すぎて好きになったんですがなんとFIRST TAKEに登場。、相変わらず良いパフォーマンスをしているのでご紹介。
演奏している「NO PAIN」は今年リリースのシングル。韓国の音楽賞で最優秀ロックにも選ばれている曲なんですが、特にラスサビに向けた疾走感が最高に気持ち良いナンバーとなっています。ちなみにちょうどいま来日公演をやっていて日本でも即完。ベースはロックバンドながら、電子音やノイズを混ぜるようなミクスチャーっぽい雰囲気も持っており、韓国で盛り上がるインディロックシーンの象徴的な存在。
最後までお読みいただきありがとうございます。もし内容が良ければ登録ボタンより、次回のニュースレター配信をお待ちください。
最後に!
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