Pinterestの予測記事からみる生活者変化の兆し&ウズベキスタンでよく見かける「て」ってどんなブランドか現地で調べてみた 26年1月第4号

今週は12個のニュース、書籍1本、ウズベキスタンの7SABERをご紹介。今週は12,445字でお届け。
南坊泰司 2026.01.27
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マーケティングトレンドインプット 今週のクイック解説3選

Pinterestが予測する2026年——「ambient chaos(過剰刺激時代)」の3つの兆し

Pinterestが自社の検索データから発表している年間トレンド予測「Pinterest Predicts」。Pinterestのデータは検索エンジンとも違い、生活者の気分をより鮮明に反映していて、新しい動きを予測するのに効果的。元の文書では21のトレンドが紹介されているが、ここでは全体感を見ながら3つの生活者の「兆し」を考察してみました。

Pinterestは今の状況を「ambient chaos(アンビエント・カオス)」と名付けている。世の中に過度な刺激が溢れ、コンテンツは過多になり、デジタルノイズが絶えない状況。そんな中で、生活者はどう動くのか?

兆し1:デジタル疲れから、「手触り」が復権する

世界の月間アクティブユーザーの4人に1人が、ビンテージやレトロの収集などノスタルジックな活動を増やしている。Z世代の1/4以上が手書きや手紙を生活に入れ込んでいる。触感の快感を前面に出したグミ的触感もトレンド。日本でも昨年末から「ボンボンドロップシール」が大きくバズした。NHK Eテレのハンドメイド番組が、LE SSERAFIMのSAKURA起因で広がったのも記憶に新しい。触覚を中心とした感覚が、2026年は大切になる。

兆し2:日常を「異世界化」する工夫が加速する

世界的にインフレ傾向は強まり、派手な消費や海外旅行はなかなか難しい。そんな中で、人々が向き合わなければいけない現実の中で、現実逃避できるファッションやメイク、楽しみ方が重要になる。例えばY2Kを推し進めたような「宇宙」っぽいメイク。家の中にアールデコのような派手なものを取り入れる動きも出ている。お金をかけずに、日常を異世界化する。これが2026年のサバイバル術になる。

兆し3:「整っている」への反動——もっと盛ってこ!

2024年や2025年はクワイエットラグジュアリーなどミニマルにする方向性が語られていた。一方で2026年は「盛っていいよ」という空気感に変わってきている。レースのような装飾が服や小物まで浸透する。80年代的な豪華さを再度取り入れる動きも出てくる。ただし、なんでも過剰というわけではない。「コントロールされた過剰」がポイントだ。選択的に「盛る」場所を過剰に盛っていく、メリハリのある盛り方が、2026年の気分。

刺激過多の時代に、人は触覚と異世界と過剰に向かう

3つの兆しに共通するのは、デジタル疲れへの反動だ。手触りを求め、日常を異世界化し、ミニマルから過剰へ。すべてが「刺激のコントロール」を取り戻す動きといえるかもしれない。

2026年は、自分で刺激の種類と量を選ぶ時代になる。Pinterestが捉えた兆しは、生活者が主導権を取り戻そうとしている証拠。

「40歳以上お断り」「25歳以上限定」 年齢制限する飲食店はどんな効果を狙っているのか?

年齢制限は、「店の空気」の説明書になる

渋谷の居酒屋「鶏ヤロー」は、入口で20〜39歳限定を掲げる。一方、同じく渋谷の「YAOYA Ba」は25歳以上限定と表示。アンダー40に限定する理由は、年齢層が多様だと盛り上がる若年層に対して壮年からクレームが入るため。25歳以上に限定する理由は、反対に大人が気を遣わず飲食を楽しめる空気を作るため。どちらの居酒屋も、本当に細かく年齢確認をしているわけではない。店としての打ち出しをこのように見せている。

年齢制限は、コンセプトのコピーとして機能する

年齢制限は本当に人を限りたいというより、「店の空気=コンセプトの説明書」として活用されている。「騒いではいけない居酒屋」というより「大人限定の居酒屋」の方が表現としてまるいし、楽しそうに感じる。コピーのテクニックだ。席のキャパシティが決まっている飲食店が収益を上げ続けるには、リピーターが必要。バズった飲食店がその後リピーターを取れずに潰れることは多い。店のカラーに沿った客で埋め尽くされているのが最も望ましいんです。

一発で伝わるが、炎上リスクもある

年齢制限は誰もが知っているワードなので、店の説明が一発で終わる。「当店は賑やかです」「静かに食事したい方へ」と文章で丁寧に書いても伝わりにくい。しかし「20〜39」「25+」は一発で伝わる。ただ、顧客を入り口で制限していることは確かなので、この表現が長期的に適切なのかというリスクもある。やり方を誤ると炎上の材料になりやすいのもリスクと言えるだろう。

コンセプトを、記号に圧縮する

年齢制限の本質は、コンセプトを記号に圧縮すること。文章では伝わりにくい「店の空気」を、数字で一発で伝える。これは飲食店に限らず、あらゆるサービスで応用できる。重要なのは、制限そのものが目的ではなく、空気の統一が目的だという点。年齢制限という強い記号を使う以上、炎上リスクとの綱引きは続く。しかし、コンセプトを一発で伝える手法だし、店のサービスや商品と連動すれば強力になるかも。

NetflixとMAPPA、戦略的パートナーシップ締結――「原作再現」の難しさと、巨大な賭け

2026年1月21日、Netflixと国内有力アニメスタジオのMAPPAは、戦略的パートナーシップを締結した。今回の提携により、MAPPA製作の新アニメがNetflixで世界独占配信されるだけでなく、企画の立ち上げからグッズ展開といったIPビジネスまで、スタジオ側が主導権を握る体制が構築される。これはアニメスタジオが製作からIPを保有するメーカーへと進化する転換点かもしれない。

製作委員会からの脱却と「スタジオのブランド化」

MAPPAは以前から日本アニメの旧来的な製作委員会構造に問題提起を続けてきた。今回の配信プラットフォームとの直接的な包括提携は、その回答の一つではないか。映画界におけるA24のように、制作会社自体がブランド力を持ち、固定ファンを抱えているからこそ実現した対等な関係性と言える。(もともと制作におけるパートナーシップは既にNetflixと結んでいた)

「原作派」との衝突、そして円盤指標の形骸化

『チェンソーマン』や『呪術廻戦』など、超大型原作のアニメ化を牽引してきたMAPPAだが、直近では「原作派」との衝突も表面化している。たとえば『チェンソーマン』一期では、映画的で写実的な演出が、原作の持つ粗削りなテンションと乖離しているとして一部から反発を招いた。円盤(Blu-ray/DVD)売上がジャンプ作品としては低調だったことも批判の論拠にされた。直近で放送されている『呪術廻戦』3期に関しても、アニメ独自の表現手法や原作の解釈について大きな賛否が生まれている。(決して批判ばかりではないことは注意)

ただ、『チェンソーマン』一期はMAPPAいわく、100%出資を行った同作において、配信権販売とグッズ展開で十分に黒字化していることを公言しているし、グローバルでの成功を手にしている。日本国内では、どうしても「原作といかに似ているか」が評価の主軸になりがちだが、海外では、原作を読んでいない人も多く純粋に映像作品としての面白さが評価される土壌がある。

「再現の請負人」か、「IPの創造主」か

とはいえ、今回の提携が約束された勝利かといえば、そんな単純な話でもないだろう。Netflixオリジナルや、完全オリジナルのアニメ作品において、世界的なメガヒットを飛ばした事例はまだ少ないのが現実。既に数千万人のファンがいる人気漫画のアニメ化と、ゼロから立ち上げる作品とでは、初速の集客力に天と地ほどの差がある。原作付き作品から完全に離れた場合はかなりヒットが難しい。MAPPAもそれは分かっているだろう。それでもMAPPAがこの道を選ぶのは、他社のIPを預かる「原作再現の請負人」である限り、本当の意味での利益と自由は手に入らないから。今回の提携は、Netflixの巨大資本をテコにして、世界に通用する「自社IP」を開発しようとする、ハイリスクな挑戦なのだろう。(もちろん完全にゼロベースの新作ではなく、例えば『まどマギ』のように強力な企画、原案、脚本、キャラクターデザインと組んだ作り方になるとは思われる)

もしこれに成功すれば、権利料を支払う側から受け取る側へ、下請け構造からIPホルダーへ変わる。その成功時のレバレッジは無限大の期待値だろう。。

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前週のマーケティングジャーニー!

実は私、Podcastもやってます!元テレビ朝日アナウンサー、現令和トラベル役員の大木優紀さんと2人でマーケティングトレンドや旅について(ほぼ)毎週30分~40分のコンテンツをお届け。

最新回では「顧客の本音を見抜くマーケティングアプローチ」についてトーク。あなたのブランドの「真の競合」ってなんですか?見せかけの競合に惑わされず、顧客インサイトを理解した戦い方をしていくアドバイスです!

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源泉かけ流し!今週のマーケティング関連トピックス(今週は12個ご紹介!)

ローソンで車中泊、7月14日から まず千葉6店の駐車場で

ローソンは駐車場を車中泊可能なホテルに変えてマネタイズし始めている。
ファミマは駐車場を「広告」の場所に変える。
さらに駐車場だけでなく、店舗サイネージやイートインスペースと合わせて「まるごと」広告にする試み。
駐車場にある車を試乗でき、イートインで説明があり、サイネージでCMが放映される。
普段親しむコンビニが完全に特定のブランド仕様になったら、生活の中に強力にブランド体験が入り込むことになる。

日テレのドラマの「画面右上にタイトルと話数、コメントを入れる手法」に批判が集まる→タイパ重視の視聴者を離脱させないためのテロップ表示なのかも

日本テレビの一部のドラマでは、放映中の右上部に
・なんのドラマか
・いま何話か
・これからの見どころ
が書いてあるらしい。
デジタルネイティブな世代は再生速度の変更や、スキップ・早送りは当然。
それができないテレビは説明しておく必要があるという判断?
胸キュンシーンの予告はスゴい。

企業は「ストーリーテラー」を必死に求めている

「ストーリーテラー」が新たな職種に
アメリカの企業では、従来のマスメディアに頼る広報活動が限界を迎える中で「自らがメディアとなり、物語を発信する」ストーリーテラーが企業における新しい職種となって求められ、採用が急増しているとのこと。
マーケティング×広報×ストーリー構築
広報やPRでもなければ、コンテンツマーケティングの担当者ともまた異なった職種である。 顧客や投資家などのステークホルダー、あるいは採用候補者など対象はあらゆる関係者。
対象者に対して、ブログやPodcast、映像などのブランドコンテンツだけでなく、そもそも顧客とどうつながるか、どのようなストーリーを描くかが求められている。
つまり、マーケティング・広報を兼ね備え、あるいはコミュニティ運営、SNSへの理解など多様な能力が求められる。果たしてそんな人はいるんだろうか。
既存メディアの崩壊による、企業の「能動化」が進行中
これまで企業は数十年にわたり、マスメディアやジャーナリストとの広報活動に発信を依存してきたが、これら従来メディアのパワーは落ち続け、企業独自のオウンドメディアはあらゆるものが活用できるようになった。
加えてAIが多くのコンテンツをネットをクロールして生成してくる現代。「人格を備えた企業そのものが何を言うか?」は非常に重要になっている。一方でその「語り」の責任の所在は曖昧になっており、これがストリーテラーが求められる背景。
残念なことに企業の話をそのまま聞きたい人はいない
とはいえ、だ。確かに企業は自分でストーリーを構築する必要がある一方で、生活者は余程その企業のファンでない限りは、その企業の話を生活の中で聞きたい場合は少ない。
単純なストーリーテリングに留まらず、時流とのオーバーラップ、様々なクリエイターと協働して、コンテンツとして興味をひくデザインをしなくてはならない。
既に米国Linkedinでは、求人投稿で「ストーリーテラー」という用語を含む割合は、直近1年間で倍増中。日本にもこの文化が流れてくる未来はそう遠くなさそう。

カルビー、クリエーターつなぐIPプラットフォーム開発

実はカルビーの商品、例えばじゃがりこを使って二次創作ができる。
カルビー公式が提供するプラットフォーム「かるれっと」を使えば、カルビーIPを活用した商品でデザインが可能。
オリオンビールがライセンスの活用によって広く商品とデザインの幅が広がったように企業のIPを広くひらく動き。

なぜ、犬と泊まれるホテルが増えているのか 「ペットツーリズム」が広がり始めた背景

ペットと一緒に旅行する、ペットツーリズムが新たな旅行業界のトレンドに。
多くのホテルがペットフレンドリーな部屋を新設していたり、ペット旅専用のホテルも好調。
そもそもペット、特に犬を飼う人は短期間でも旅行がしにくい、という問題を抱える。ペットを預けるのも結構なお金がかかる。
少子化の一方でペットを飼う人は増加しており、ペット愛は高まる。ペットに掛ける金額も増加中。
愛するペットと行う体験の一種としてのペットツーリズムも、ペットに掛けるお金の使い道に一種として伸びしろがあるということ。

「まど☆マギ 始まりの物語/永遠の物語」狩野英孝コメンタリー版の総再生数が100万を突破

15年も前のコンテンツに再度どうやって火をつけるのか?
魔法少女まどか☆マギカの答えは、狩野英孝が初見で視聴する反応を放送するということ。
TVerで配信され、非常に前の作品でもあるにも関わらず、100万以上の再生数をたたき出したヒットコンテンツに。
そもそも狩野さんは「反応が面白い人」であり、ゲーム実況は非常に人気がある。素直に驚く人×起伏がある展開のまどマギアニメ、は食い合わせの良い組み合わせ。
今は切り抜きが広がるように、コンテンツそのものだけでなく、二次的な「乗っかり」も含めてコンテンツの展開が生まれる。
元のコンテンツに対する反応、に対する反応、という三階建ての拡散を狙う、今っぽい面白い施策です。

販売実績ゼロなのに、三越が動いた 街のケーキ店「看板商品」開発の裏側

愛知県の洋菓子店が作ったヒット商品、
「バターサンドのバタークリームだけいっとく?」
その名の通りバターサンドのクリーム部分だけが食べられる商品。ハッピーターンの粉だけ、とかホイップだけ、とか、食品の「美味しい部分」だけを切り出した商品がヒットの方程式?

セフォラとオリーブヤングが提携し、セフォラの消費者に韓国の美容の最高峰をお届けします

世界的な美容リテール、セフォラと、
韓国最強美容リテールのオリーブヤングが戦略パートナーシップを発表。
これにより、オリヤンが選んだ韓国コスメが北米・アジアを皮切りに世界に進出。
昨年はNetflix×K-POPのヒットがあったが、アイドル文化とコスメの相性も良いのもポイントだよね。

世界で安い日本のメガネ、外国人のお眼鏡にかなう 銀座一等地に出店

実は日本のメガネは世界的に見て安い。
為替の問題もあるが、上昇する諸外国に比べ、この5年で平均価格は大きく低下。結果的に国内需要だけでなくインバウンドにも人気。
日本企業のJINSやZoffのような企画~販売まで手掛けるアパレル的なSPAモデルで競争がある日本はかなり珍しいらしい。

「Makuake」で5760万円集めた炊飯器 岩谷産業は意外なクラファン巧者

消費者の接点としてのクラウドファンディング活用。
岩谷産業は総合エネルギー会社で、このよく見るカセットコンロの売上は全体の数%。
ただ、顧客接点としてカセットガスは強い。
ガスを活用した一点突破のアイデア商品を投入し、ニーズを喚起。存在感を増やすだけでなく、販路開拓にも。

アパホテル、1日に2度貸し稼働率100%超 「空白の時間」ITで短縮

驚異のアパホテル。
稼働率は時に100%を超えるらしい。
一般的な宿泊施設の稼働率は75.1%。
100を超えるとはどういうことか?
→1日に2回転させている部屋があるってこと。
テレワークやランチ、浴場利用なども活用するデイユースプランを独自アプリでチェックイン/アウトまでカバーし効率化。

投資は苦手だけど、ポイントは好き “1.6%還元カード”が突く日本人の心理

暗号資産取引所Binanceが暗号資産を広めるためのアプローチは、なんと超高還元のクレジットカード。なぜ?
日常の買い物金額の1.6%がBNBというBinanceが発行するトークンで還元。
還元率は相当高く、かつ暗号資産をポイントのように配ることが特徴。
まだ暗号資産に抵抗ある人は多いが、ポイント感覚で手に入ってくるならば、自然に暗号資産の世界に入っていくことになる。
もちろんBNBを活用するためならそもそも取引所を活用するしかないわけで、高還元のクレカを活用して顧客の入り口にする、というアプローチ。

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海外現地調査レポート:日本人には「て」にしか見えないけれどウズベキスタンでは最強ブランド。7SABERのブランド展開の謎。

ウズベキスタンを歩いていると、様々な人が来ている服や、エナジードリンクでも日本語の「て」にしか見えないマークをよく見かける。実はこのマーク、ウズベキスタンで大流行して一大ブランドになっている「7SABER」というブランドのマークなのだ。前回の五輪ではウズベキスタン代表の公式ユニフォームにも採用されているぐらい、親しまれている国民的ブランド。

意味は「7つの剣」という意味。つまりこの「て」は数字の「7」の変形というわけ。

気になって調べてみて、実は謎が最後まで完全に解けなかったのですが…現地写真と共にリポートします。実はこのマーク、アパレル発信ではないらしいのです。2019-2020年頃にこのマーク自体がスポーツ文脈の象徴として広がりました。当初は商用目的ではなく、誰もが使える形で広がっていったらしいんです。

つまり順序としては マークが広がる→最も結びつきが強いスポーツブランドができる→さらにライフスタイル領域に拡大する、というプロセスをたどっている。

現地ショッピングセンターにある店舗

実は価格帯としてはかなりウズベキスタンにしては高め。シューズやキッズなどあらゆるものがあります。

現地のショッピングモールなどを見ていると、この「て」ブランドが広がっていることが分かります。「て」を冠するものを探すと、スポーツブランドだけでなく、アイスクリーム屋さん、エナジードリンク、香水、そしてなんと冷蔵庫をはじめとした家電の「7tech」まで存在する。スポーツから始まり生活のあらゆる文脈を抑えているんですよね。

そもそも商業ブランドが北京2022オリンピックのユニフォームになっているのも不思議なのですが、これも無償提供であること、かつウズベキスタンを代表する国家的なブランドとして国民も含めたパーセプションが出来上がっていることの証明なんでしょう。不思議なのは、このスポーツリテール、飲料、7techなどが完全に同じ会社が運営しているわけではなさそうなこと。おそらくこのロゴと屋号をウズベキスタンの様々な企業にライセンスする、というカタチをとっているみたいです。

記念に買おうかと思いましたがどうしても日本人としては「て」に見えてしまい、格好良くは見えない、、民族の常識による価値観の違いを感じる面白い事例かもしれません。

↓こんな反応もありました。日本人ならどうしても「シュール」に感じてしまうウズベキスタン名物です。


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明日から効く!マーケティング/ブランディング関連書籍レビュー

なぜ日本文学は英米で人気があるのか  鴻巣 友季子

日本文学が海外で大人気になっていることをご存じでしょうか。人気なのは村上春樹でしょ?と考えるかもしれませんが、違います。特定作家ではなく、多くの作家が英米で支持され、商業的にも評論的にも非常に好調なんです。しかもそれは「海外が考える日本」的な日本的情緒やワビサビ、禅などではなく、犯罪小説やミステリー、ディストピアや奇想など、世界文学の関心領域のど真ん中で日本文学が戦っている、という非常にポジティブな状況。

特に躍進著しいのは女性作家。例えば2025年の英国ダガー賞(ミステリーの文学賞)の翻訳部門は最終候補作6作のうち2作が日本作家で、最終的に王谷晶『ババヤガの夜』が受賞。この本は私も読んでいるのですが、単なるサスペンスというよりも、文学的でも、ミステリー的でも、ピカレスクロマンでもあるような、ハードで陰鬱とした、しかし最終的に爽快さすら感じる強力な読後感の傑作です。

女性作家が目立つのは世界的なジェンダー平等の潮流の中で、翻訳する作品数および翻訳家自身の男女比率を適正にする動きなどの追い風があり、結果多様化、村田沙耶香や川上未映子などが評価されるように。もちろん先駆者たる村上春樹の存在は重要で、村上時代の信頼をもとに「ポスト村上」の小説として日本の作品が読まれるようになっている。

面白いのは、「エキゾチックな日本」という見方ではなくフラットに読まれているからこそ、翻訳によって新たな文脈が生まれていること。例えば英国で大ヒットしている柚木麻子『BUTTER』。(先日英国に訪問した際、本当に書店に平積みされてました)BUTTERは婚活連続不審死事件の犯人、木嶋佳苗死刑囚を元ネタにした作品で日本ではこの事件を想起しながら読むのがある種主流の読み方となっている。一方で英国においては、もちろんこの事件は知られていない。従ってシンプルに犯罪小説やフェミニズム文学として読まれているのだ。

こうして日本文学が世界で活躍するようになったのは出版社と翻訳家の力も大きい。例えば英国で評価されている日本のみならず海外文学を積極的に翻訳する出版社は大規模な出版社ではなく独立系のインディーズっぽい出版社である。映画で例えるならA24みたいなイメージだろうか。

翻訳者の世界でも出版社と深く結びついた「大物翻訳家」の存在は退潮し、さらに日本文学を研究するアカデミアからも積極的に翻訳家が生まれることで若返りが実現した。作家と翻訳家の関係性が良くなり、両輪で優れた翻訳作品が誕生するポジティブなサイクルが生まれている。今や村田や川上は多くの時間を海外でのイベントで過ごすようになっているとのこと。

世界的に「読書」は価値が高まっている。英米では「BookTok」というタグでのおすすめ書籍紹介は一大ジャンル。本屋も巨大書店は復権しつつあるし、人気のあるインディペンデントな書店も見られるようになった。このムーブメントは英米ということで、英語圏に限られた動きではあるが、より広がっていって欲しいし、日本でもより翻訳小説が広がると良いですよね。

偏愛!なんでもインプットコラム

広告代理店は何を「代理」するのか?—AI時代の“代理”を3つに分解する

毎年恒例のNewspicksの年頭予測、広告領域の記事を受けて、私が考える2026年に求められる広告代理店の機能を考えてみました。

AI時代、様々なビジネス現場でAIの課長が進んでいます。マッキンゼーの調査では生成AIを少なくとも1つの業務機能で「定常利用」している企業は、2024年の65%から(2025年調査では)71%へ増加しています。一方で、「使っている=価値化できている」ではない。企業レベルのEBITに“目に見える影響がない”と答える割合は80%超となっている。

BCGの調査でも、AIの価値を強力に得ているのは5%にとどまり、60%はほとんど価値が出ていない(もしくは出せていない)と整理しています。AIの価値は明確だが、それが具体のビジネスにおけるインパクトの実装には道半ば、ということ。(当然と言えば当然ですが)

マッキンゼー調査:

BCG調査:

参考記事のNewspicksの記事では、GO三浦氏は広告会社が代理店の本文を見失っている、と指摘します。「広告代理店」というワード自体がいわゆる中抜き批判、五輪問題と絡めながらも社会敵化していく中で、電通や博報堂は代理業というよりも広告会社、あるいは価値創造のパートナーといった立ち位置を取るようになってきました。

しかしもちろん望ましくない中抜きなどは言語道断である上で「代理業」には価値があることも確かです。三浦氏の言葉を借りれば「代理店とは本来、広告を含む“面倒なこと全部”を、社内調整も含めて抱えて前に進める存在」であると。マーケティングがかつてないほどに複雑化している現在、そしてAIが登場し分析・リサーチ等の「賢いこと」は依頼できるようになった中で、より「面倒なこと」を依頼できる存在は重要度が増しているのでは?と思うのです。

では結局、代理店はこれからなにを「代理」するのが価値が高いのか?

私は2つあると考えています。

代理①:文脈を代理する

AIの強みは「限定条件下における最適解の導出」です。なので「答え」には近い。しかしかつてないほど企業や商品を取り巻く速度が上がり、顧客接点がスマホやSNSによって爆発的に広がる中で「答え」が正しくある賞味期限は非常に短くなっています。

答え自体はAIが見つけられても、同時に世間を俯瞰して観測する視点が無ければ、この激流の中で効果的なアクションがとれない、むしろ炎上する場合すらあります。

複数業界・複数コミュニティ・複数の炎上温度をまたいで、機会と危機を検知し、ナラティブをリアルタイムで更新可能にする。そのパートナーとして、「外部の眼」である代理店は有用になるはずです。そもそもAI最適化が進めば進むほど、訴求は同市うtかしやすいこともあり「語り」の重要性は増すはずです。

代理②:実装を代理する(事業推進 / マーケPMO )

三浦氏も触れているように2000年代のマーケティング革新における最大のトピックはPDCAでした。素早くアクションを改善可能な顧客接点や広告接点が登場し、データと共に改善ができるようになった。では2020年代の変革とは何か。これはAIを導入する、というよりも「AIで回る業務設計」を作りこめるか、ということにありそうです。構想自体はAIで太らせることが可能。ただ、AIそのものが実行できるわけではないので、多岐にわたるマーケティングアクションにその「構想」を展開する必要がある。

ここに大きなギャップが存在します。つまりこれはたくさんの「面倒なこと」が生じるわけです。「やれそうなこと」は無限に増えても、アクションが伴わない現実を解決するための代理業。これはプリミティブな広告代理店の提供価値に非常に近いでしょう。

私が営んでいる株式会社manage4では、この「文脈の代理設計」と「マーケティング実務推進」に強みを持っています。もしマーケティングやブランディングにお悩みのことがありましたら、ご相談は気軽に受けておりますので、下記よりメッセージくださいませ。

https://manage4.com/contact

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今週の1曲

シティポップの輝きを今に再解釈するアプローチ→離婚伝説 - ステキッ!!』
https://www.youtube.com/watch?v=IxlYY55mNa4

2人組ポップバンド、離婚伝説。僕は2年前ぐらいから好きで2025年のフジロックも楽しみに見に行きました。そんな離婚伝説の新譜「ステキッ!!」はアニメ『ハイスクール!奇面組』のテーマ曲として書き下ろされた曲でもあります。

近年日本のシティポップは世界的に注目されており、日本よりもむしろ海外で当時のアーティストのレコードが高値で取引されている状況。日本でもシティポップをフィーチャーした楽曲がちょこちょこ出ているのですが、離婚伝説はそのエッセンスを取り入れつつ、音の解像度はいま、最新のもので組みなおしている「古くてあたらしい」曲になってます。歌詞もその時代の良さを引き継いでいて、明るいタイトルとは裏腹に切なさの宿る言葉選び。現代の歌詞作りは情報量が多く、固有名詞などを多用するようなアプローチですが、こちらは昔風味の切なくクサい作りになっています。

特に僕はこの曲のベースラインが最高に好きで存在感あるな~と思ってたんですが、ベースはsuchmosの山本連がやってるみたいです。同笠で

youtubeのコメント欄みるとまさに40-50代の奇面組時代の視聴者がドハマりしており、離婚伝説がこの層にも「発見」されたのは注目すべきタイミングかもしれないですね~。

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最後に!

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