キットカットの成功から学べる今でも使えるPR術&「アオアシ」完結記念考察 25年9月第1号
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マーケティングトレンドインプット 今週のクイック解説3選
キットカットのPR的成功に見る「企業がどこまで顧客の動きに反応するか?」の匙加減
買収当初はたった利益率2%だったキットカットの売上が、3年で売上5倍、利益10倍になる強いキャンペーンの舞台裏を語るYoutubeより。
最近は日清やマクドナルドなどが積極的にミームを活用したプロモーションを行っている。ミームにはネットで話題になっていることもあれば、勝手に消費者の間で広がっている習慣を取り上げることも。近年では公式が「乗っかる」プロモーションはかなり多くなっていますよね。
一方で、このキットカットの事例から学べるのはあえて企業のミーム利用を「禁じた」ことが大きな爆発につながるということ。試験会場で受験生がゲン担ぎで「きっと勝つ」にちなんで食べていたことを、例えば大々的に広告に利用すれば、もちろん受験生に広がる一方で爆発的に広がる話題にはならず、いちプロモーションになってしまう。しかしそれを公式が取り上げず、メディアに取り上げさせることによって、より大きい話題爆発を呼ぶことになったわけなんです。メディアからすれば「発見したニュース」になれば、積極的に取り上げてもらえる。受験生とキットカットという意外な組み合わせという事実を大切に扱ったことによってメディアで公式化し、そして公式になってこすられた後に始めてプロモーションに活用していく。
これは現在においても活用可能な話題化のTipsだなと感じています。
数か月でカテゴリーNo.1になるマーケティングの具体アクションについて、PeopleXのAI面接のマーケティング
特に立ち上がったばかりの商品カテゴリーにおいては、そのカテゴリーにおけるNo.1になるか否かで大きな差が生まれる。AI面接のマーケティングは早期にこのポジションを獲得するための選択と集中が強力に作用した実例と言えるのではないだろうか。
例えばBtoBとして重要な接点である展示会においては「AI面接、体験できます」という1つのメッセージに絞ったこと。展示会ともなればいろんなサービスの価値を訴求したくなるものだが、AI面接という概念が浸透していないのでシンプルに体験できる、という内容にフォーカスしている。
更に面白いのはエレベーター広告にPaidの広告を集中した点。単純なリーチで言えばもちろんテレビCM、あるいは一般的にはBtoB企業はタクシー広告を使うことが多いが(もちろん大前提として価格が安いことを踏まえつつも)、エレベーター広告を選択。エレベーター広告の強みはオフィスビルに中心に入っており、接触頻度が圧倒的に多く、かつ接触時間も長いということ。短いエレベーターなら、確かにスマホを見ずに前を見ることも多い。
こうしたフォーカスを絞った訴求において「AI面接なら」という認知を早期に形成することに成功。大胆にフォーカスし、訴求内容の切れ味を上げる、こうしたアクションが生み出すコミュニケーションのスピード感は結果につながるよね。
プロ野球チームの成績と連動するショートドラマという前代未聞の「進行系コンテンツ」
横浜DeNAベイスターズは数多くのエキサイティングな施策を投入していることで知られているが、その中でも面白い施策が球団公式のTiktokやYoutubeで配信している「シーズン連動型」の縦型ショートドラマ。
スポーツとは筋書きのないドラマ、と言われるように全く展開が予想できないコンテンツ。しかも野球は年間で144試合も行われる長期間コンテンツであり、その間にチームの浮き沈み、勝敗によって大きなストーリーが生まれているともいえる。そんなチームの勝敗、成績に連動して内容が変わる、というのがこのドラマのアイデア。
この縦型ドラマのターゲットは若年層だが、「勝敗や成績と連動する」のは野球が分からなくても見やすい要素になる。勝ち負けは誰にでも分かるシンプルな基準。そこまで野球に親しんでいない新規層を取ることを考えると有効な施策な気がします。また、ファンとしてはたまったものではないものの、ドラマであることでチームの負けが込んだり成績が悪くても話自体には興味が持続することも強みではあるか。しかも続き物にすることもできるし、筋書きのないドラマであるスポーツは毎年結果が同じことはもちろんない。何度でもこすれるビッグコンテンツかもしれないですよね。
ちなみに僕はDeNA大ファンなので、最近負けが込んでてちょっと辛いです。
源泉かけ流し!今週のマーケティング関連トピックス(今週は16個ご紹介!)
ENEOSが給油所に室内ゴルフ練習場 子連れでも楽しめる空間に会員増
ガソリンスタンド併設のゴルフ場がにぎわっているらしい。
完全個室で無人の24時間営業、1コマ70分。
ゴルフは基本的に車で行くので、車の中にクラブセットが入っている人も多い。
なので待機時間中に打つのが自然にできるというワケ。
これは考えてるね~!
自然な誘客施策。
カゴメトマトジュース、3年連続で過去最高の出荷量を更新
カゴメのトマトジュース、実は3年連続で過去最高の出荷量を更新中。
特に2023→2024は20%の大幅成長。
理由は↓
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特に50代以降で健康食品としてのイメージ伸長(メインユーザー)
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美容健康文脈でSNSでも拡散し若年層も強化
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生鮮トマトの代替品としての利用促進
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- 最後に!
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