レシートの裏に小説を書いたら社会現象に&Oasis×Adidasの全方位ブランドキャンペーン 25年10月第4号

今週は20個のニュース、書籍1本、東南アジア発・グローバルピザチェーンをご紹介。今週は10,018字でお届け。
南坊泰司 2025.10.28
誰でも

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マーケティングトレンドインプット 今週のクイック解説3選

本来はゴミになるレシートが、社会現象のバズを引き起こす。中国お茶チェーンの「レシート連載小説」

基本的には、もらったら捨ててしまうレシート。中国のお茶チェーン「蜜雪冰城(Mixue)」は、そんなレシートに「連載小説」を載せることで、顧客が勝手に拡散してくれる「メディア化」に成功した。

蜜雪冰城とは何者か?

蜜雪冰城は中国で圧倒的な人気を誇るお茶チェーンだ。最近日本にも進出し、現在5店舗が営業している。中国ではいまお茶チェーンが大ブームだが、その中でもMixueは「圧倒的に安く、超コスパ」で知られる。雪だるま型のブランドキャラクターも人気が高い。

そんなMixueが仕掛けたのが、おそらくコストはかなり低いのに、圧倒的なバズを生んだマーケティング施策。

レシートに印刷された連載小説

物語は全20章。ブランドキャラクターが古代にタイムスリップしてコーヒー店を開く、というストーリーだ。 面白いのは、どの章が印刷されるかが完全ランダムであること。中国で大人気のラブブのようなブラインドボックス方式が、ここでも採用されている。 物語の全てを知るためには集める必要がある。もちろんそれは大変なので、SNSでレシートをシェアする、という行動が自然発生的に起きた。 「渡さなければいけない」が、本来そこに書いてある内容はほとんど気にされていないレシート。それを、ただ小説を印刷するだけで変えてしまったわけだ。

顧客が勝手に広告塔になる仕組み

この施策が素晴らしいのはは、顧客が勝手に広告塔に変貌する点にある。SNS上では「#蜜雪冰城」「#7章どこ」といったハッシュタグが飛び交い、自然発生的なバイラルマーケティングが成立した。 もともと人気があるブランドキャラクターを主人公にしているため、物語を通じてブランドへのロイヤリティも高まる。レシートへの印字は、クーポンを配るよりも圧倒的にコストが低い。CRM施策としても優れている。

メディア化するレシート

この小説が話題になったことで、Mixueは小説原作の短尺ドラマをSNSに投稿するなどの追加展開も投入。結果的に、この小説はメディアやシェアを通じて1億回以上読まれている。 あえて物語の断片を提供することで、共創型でブランドのナラティブを作る。この手法は定番化できる可能性もある。捨てられるはずだったレシートが、ブランドを語るメディアに変わる――面白いしアイデアが素晴らしい事例でした。

本店舗の力を高める。音楽の聖地へと変貌するタワレコ渋谷店のリニューアル

タワレコでお酒が飲める――渋谷店の大胆なリニューアルが示すもの

タワーレコード渋谷店が、大規模なリニューアルを敢行。5つのフロアを改装し、「新体験型ミュージックストア」を目指す。改装オープンは来年2月末。

「モノを売る場所」から「体験を売る場所」へ

今回の改装は、店舗を徹底的に体験化する方向。

1階はウェルカムゲートとなり、SNS映えする空間演出に。アイドルやアニメを扱うフロアには個室のフォトスポットが設けられ、アイドルの等身大ビジュアルと一緒に撮影できる体験が提供される。 最も興味深い変化があるのは、6階のレコード売り場。ここにスタンディング式のビアバーが新設される。

レコードとクラフトビールの親和性

6階のビアバーでは、クラフトビールを12タップも提供する。 レコードを買うのは音楽好きで、比較的年齢層が高い人が多い。音楽フェスにはお酒がつきもので、親和性は高い。アナログレコードを買う層とクラフトビールも、確かに相性が良さそうだ。 注目すべきは、中途半端ではなく、しっかりとバーとしても質の高い体験を提供している点。単なる「ついで」ではなく、バーとしても成立するクオリティを目指している。

ストリーミング時代における「聖地」の役割

音楽を取り巻く環境は大きく変化している。ストリーミング時代において、CD/レコードショップの立ち位置は揺らいでいる。単純にモノを売る場所としての存在価値が問われる中で、タワレコ、特に渋谷店は「音楽の聖地」としての役割を果たし続けてきた。 今回の改装は、その「店の力」をさらに加速させ、体験を売る場所へとより強化する試みなんじゃないでしょうか。

アイドルフロアが示す「CDの意味」の変化

アイドルフロアの変化も興味深い。

韓国のショップなどでは既にこうした体験が提供されているが、日本のアイドルでもK-POPアイドルでも、CDを買う瞬間は基本的に推し活が盛り上がっているタイミングだ。

今回の改装でフォトスポットが強化されているのは、そうした「アイドルにおけるCDの意味」を追求したものとも言えるだろう。CDはもはや音楽を聴くためのメディアではなく、推し活を形にするグッズであり、体験の一部なのだ。

タワレコ渋谷店が目指すのは「音楽の聖地」としての体験価値を高めることだ。ストリーミングでは得られない、物理的な場所だからこそ提供できるチャレンジ。新店舗が楽しみです。

睡眠美容の更に先、体内時計に着目する美容ブランドが増え始めている理由とは

「いつ塗るか」が新戦場に――サーカディアンリズムに賭けるビューティ業界

エスティローダーを筆頭に、資生堂やカネボウといった国内外の大手ビューティブランドが、生物の体内時計=サーカディアンリズムに着目したスキンケアやヘアケア商品を次々に発売。

睡眠への着目は以前から

近年、I-neの「YOLU」、ナイトクリームやナイトリペア、睡眠中に貼り続ける長時間用シートマスクなど、睡眠中の効用に着目した商品がヒット。今回のサーカディアンリズム商品は、その流れの進化系と言える。

背景にあるのは、睡眠の質への関心が社会全体で高まっていること。 スリープテックやリカバリーウェア、最近では「めっちゃ痛い針の上に寝る」シャクティマットなんてものまで登場している。スキンケアでも、睡眠へのアプローチが増えているのは自然な流れだ。みんなが睡眠時間を「有効利用」しようとしている。

成分競争から、時間競争へ

スキンケアや化粧品は、成分への着目がどんどん加速してきた。だが、いまや「何を塗るか」の競争だけでなく、「いつ塗るか」の競争も始まっている。

肌が持つ本来の機能は、確かに昼と夜で役割が異なる。昼は外的刺激から守るバリア機能が優先され、夜は修復機能が活発になる。サーカディアンリズム商品は、この自然のリズムに合わせて最適な成分を届ける、という思想だ。 最高の効果を得るには、肌の機能が切り替わる"時間"に合わせて、最適な成分を届ける必要がある――そんなロジックである。

細分化される使い分け

もうあらゆるタイミングにスキンケアはアプローチしており、細かい使い分けが当たり前になっているな、とも感じる。朝用、夜用、週末用、季節用――使い分けはどんどん増えている。 これはビジネスモデルとしても理にかなっている。昼と夜に同じブランドで使い分ければ、単純計算で顧客単価は2倍になる。実際、各社のアプローチも2つセットで昼夜使い分ける商品設計のものが多い。

時間という新しい戦場

成分の差別化が難しくなる中で、「時間」という新しい軸が登場した。消費者にとっては選択肢が増える一方、使い分けの複雑さも増している。 果たして、この時間競争はどこまで細分化されるのだろうか…

***

源泉かけ流し!今週のマーケティング関連トピックス(今週は20個ご紹介!)

噛んで、奮い立て。TOUGH GUMMY BARA

グミ市場で好調を続けるタフグミシリーズから、見たことない商品「グミバー」が登場。
タフグミの強い点はその名前通りの弾力。それを「かみちぎる」体験にすることで、より爽快感を高めるようなイメージなんだろうか。
この形でヒットするのか、興味あります。

だから売上高「150億円→552億円」に激増…プロ野球にもJリーグにもなかった「男子バスケリーグ」の斬新な戦略

好調、Bリーグの成功要因。
日本最高のプロスポーツ、野球と徹底して対抗してデジタルファーストで。
チケットやグッズが分散せずにスマホ完結することも特徴だが、Bリーグの最大の特徴は権利統合。
映像の権利をリーグが持ち、製作もリーグ自身が行っているため、自由かつ早い映像展開で拡散。

東京に"異変"ミシュラン二つ星が10年で半減の過酷な現実 東京で星を取るのがなぜ難しくなったのか

東京のミシュラン星付きが減少。
2つ星は10年で半減、1つ星も減少。
理由は評価のすそ野拡大と、予約困難問題。
狭小店舗が多い東京では人気店ほど数か月待ち。
予約が取れなければ評価もできない。
人気が評価を拒む、ミシュランと相反する土地なんだよね~

とろける麻婆豆腐専用木綿

小さいサイズに切れている豆腐。
ネーミングが秀逸だなと。
この切れてる豆腐なら、味噌汁でもなんでも使いやすいわけですが、日本人が最もイメージしやすい「角状に小さく豆腐を切ることが必要な料理」は確かに麻婆豆腐。
だからこその「麻婆豆腐専用」の名称。

【セルフレジ逆風】、アメリカで相次ぐ撤去!日本も「スマホ前提社会」の行方は?

アメリカでセルフレジが大きく普及し、会計に占めるセルフレジの割合は29%とかなり高い
一方で、万引きの急増で大手チェーンがセルフレジの全面撤去に乗り出している側面もある。本気で悪意がある場合に、現状のセルフレジの仕組みは防犯力が高いとは言い難い現状をテクノロジーでどう解決するか。

忘れられないアウトドア体験への入り口

世界的ホテルグループ、マリオットがアウトドア特化型プログラムを始動。
世界的に「体験型旅行」のニーズは増加、旅行者の7割が旅先で身体を動かすことを望む時代。
ホテルはただの「寝る場所」じゃなく、体験の起点になる。売るのはベッドではなく、冒険なのかな?

「ラムダッシュパームイン」マーケ改革 高価格でも爆売れに緻密な戦略

バカ売れのパナソニックの小型シェーバー、パームイン。
圧倒的なデザインが目を引くが、何より凄いのはプライシング。
一般的な携帯シェーバーは円程度、
既存の5枚刃シェーバーは2.5万円に対し、
なんとパームインは4万円超え。
「革新的なプロダクト」であるブランドだからこその価格戦略。

【8月31日は野菜の日】キーワードは物価高、猛暑、腸内環境、ウェルネス、サステナブル Oisixが、2026年注目の野菜・フルーツのネクストトレンドを大予想!

オイシックスが提唱する野菜・フルーツのネクストトレンド。面白い切り口!

  • ましましベジ→かさましに野菜活用

  • 猛暑対応ベジ→猛暑で変質した新野菜

  • なごりフルーツ→旬外れの定形外フルーツ

  • 腸内環境ベジ→野菜で腸活

  • QOL爆上げベジ→光栄要素野菜へ注目

確かにどれもありそうです。

来客数「1日120人→250人」創業90年、荒川区の小さな銭湯がサウナを廃止して始めた"超高付加価値サービス"

荒川区の銭湯が1日の来客数を2倍にしたリニューアル戦略。

  • レディースデー

  • こだわりドリンク

  • インバウンド連携

  あえてサウナは作らず。サウナブームを横目に、銭湯本来の接点拡大で勝負。流行に乗らない正攻法が結果につながってるね。  

中国着ぐるみコスプレ最前線②:「仮面を付け仮面を外す」ケモノ着ぐるみ文化

中国で独自進化するコスプレ。
なんとケモノ着ぐるみが大人気らしい。
年代としては高校生など10代に人気がある。
インサイトとして、あえて全身着ぐるみという「仮面」を付けることで、結果的に自分の心身を開放する、という考え方。
確かにケモノへの全身なりきりは、そんな気持ちになるのかも。

SHE、職場コミュニケーションにおける絵文字利用を調査│職場での絵文字利用は賛否が二極化、“正解なきマナー”が世代間摩擦の火種に

SHEの「職場での絵文字利用」の調査。
賛否は二極化。
20-30代女性の6割が好ましいと回答する一方で、年齢が上がると8割がNGに。
さすがに若い世代もビジネスメールで絵文字を使うわけではないので、コミュニケーションツールの差異が大きいとは思いますが…
よく使われるのは
🙏
🙇
😊
だそうです

無印良品がアプリ刷新 「マイル」廃止で会員プログラムをシンプル化

無印良品の会員アプリの設計変更。
・マイル制の段階的ロイヤリティプログラム

・シンプルな100円1ptのポイント制に
会員が拡大し、さらに無印良品の商品も多様化する中で「好きな人は好きな店」というよりも、
広く顧客を持つリテール、としての位置づけが変わってることを感じさせるね。

サントリー茶室BARと象印食堂に共通 「深い体験」と3つの成功要因

SUNTORYのクラフトジン、六(ROKU)
初のコンセプトショップは「茶室バー」
グランドプリンス高輪にオープンしてる。
提供する六の体験コースでは、伝統的な茶会の流れに沿って六のカクテルと和菓子のペアリングを提供。
まさに現代の店舗はブランドを体験させる場所、というコンセプト。

「モンチッチ」訪日客に人気爆発 ポケモン・ディズニー級の世代超えキャラに

ジャパニーズ・ラブブ?!
モンチッチの人気が訪日観光客で人気爆発。
火付け役はタイの人気女優&ブルピンのLISA。
いきなり売上は4倍に。
海外ではそばかすメイクも流行ってるし、そばかすが特徴的なキャラクターとしての人気になっているみたい。

OpenAI、数十億のトークンを処理する開発者に記念盾を授与

ClaudeのAnthropicは限定キャップで長蛇の列を作ったが、OpenAIは1兆トークン処理した開発者に物理トークンを授与。
デジタル企業ほど、あえての物理接点が効く。
希少性と所有欲がコミュニティの熱狂を引き出すブランドアクションになる事例。

現代のメディア帝国としてのF1ドライバー

F1人気とともに、F1ドライバーがメディアとして圧倒的な強さを持つように。
F1の特徴は世界的スポーツであるにも関わらず、選手がわずか20人程度しかいないこと。
他のスポーツよりも、特定の人間にフォーカスが当たりやすい構造。
牽引するのはルイス・ハミルトン。あらゆるブランドとコラボしてる

スペシャルゲストがいなかったら本当にコンサートと言えるのか?

近年、ビッグアーティストのコンサートでは「コラボ」が常態化。
アーティスト同士だけでなく、時には女優が飛び入り。
コラボはSNSアルゴリズムにおいても有効な手段。
別のファンダムにリーチ可能な装置になっている。
音楽コンサートもアルゴリズム最適化しているのかもしれない。

“ピクルス汁飲料”が米国で人気の「なぜ」? 驚きの機能性とは

ピクルス自体がアメリカでトレンドになっているが、ピクルスのつけ汁から生まれた「ピックルジュース」も売れてるらしい。
機能性飲料で、効果は「筋肉のけいれん効果を抑える」ことで、アスリートがスポーツドリンク的に飲んでいるらしい。
味が想像できないが機能性はエビデンスあり。

ドレイクとナイキNOCTAがクリケットにインスパイアされたコレクションを発表

実は世界で3億人がプレーしていると言われているスポーツのクリケット。
NIKEがDrakeとのコラボブランドNOCTAで、このクリケットをフィーチャーしたコレクションを発表。
面白い着眼点ですよね~
クリケットはカリブ海諸国や南アジア、アフリカなど特徴的な地域で親しまれていて、有効に働くかも。

***

海外現地調査レポート:pizza 4p's、日本人が経営する、東南アジアを席巻するグローバルピザチェーン

ベトナムを中心に、カンボジア、インド、日本など、グローバルで約40店舗を展開するグローバルピザチェーン、Pizza 4P’s(ピザフォーピース)を皆さん知っているでしょうか。 立ち上げは2011年、そこから10年以上たちグローバルで40店舗というビジネスとしての成功もさることながら、カンボジアの店舗ではゼロウェイスト(ごみを出さない)の店舗を立ち上げたり、サステナビリティレポートを毎年公開したり、とブランドとしても非常に優れており、店舗体験が素晴らしいのも特徴です。ベトナムが中心で、ベトナムには35店舗あります。

そんなフォーピース。実は創業者が日本人なんです。にも関わらず当初からそのスタイルは現地の食材や文化と接続するサステナビリティスタイル。自社でベトナムにチーズ工房を作ったり、ローカル食材を契約農家から積極的に取り入れたり。お仕着せのサステナビリティでなく、本気で現地に入り込んだ持続可能なフードビジネスに挑戦している、そのブランドのスタイルが非常にカッコ良いんですよね。こだわりは紙のメニューを見れば一目瞭然で、まるで辞書のような巨大なメニューには、契約農家や工房のことがメニュー解説とは別に説明されているなど、世界観が非常にしっかりしています。

私は日本のフォーピースには行ったことがないんですが、ベトナムではダナンで2店舗、ホーチミンでも訪れたことがあります。店に入って驚くのは圧倒的なクレンリネス。とにかく店がキレイです。日本では当たり前かもしれませんが、東南アジアではここまで清掃が行き届いていたり、内装にこだわっているのは星付きレストランやホテルレストランでないとなかなかない。フォーピースはもちろん安くはありませんが、超高級帯でもないのにこのクオリティというのは驚かされます。

さらに接客レベルも圧倒的に高い。まるで日本にいるような細やかな気遣いなんですよね。

店舗でのUXも優れており、モバイルオーダーが可能。もちろん現地語や英語が選べて迷うことなく商品を選べます。このモバイルオーダー、びっくりするほど使いやすいなと思っていたのですが、調べてみたらなんど自社開発でした。こんなところまで自前で作っているという恐るべきこだわり。会計もそのままできちゃうので実に楽です。

肝心のピザは日本スタイルのたくさんの具材がのったタイプ。これが海外で食べられるのがめっちゃ嬉しいんですよね。日本らしいメニューだけでなく、まさにローカルコラボした独特のフレーバーも。サイドメニューもパスタが絶品だったりと、本当に何を食べても美味しいので少人数でも大人数でも使いやすいお店です。さらに自社で作っているクラフトビールが飲めるなどまさに隙なし。ベトナムだとボーコーピザ(ベトナム風牛肉煮込みピザ)がおススメデス。

ベトナムは食事美味しいですが…とはいえ現地の食事が食べ飽きた時にもフォーピースはおすすめ。とにかく店舗体験が良いし、味ももちろん良いので絶対に外さないです。ベトナムでちょっと困ったときにはぜひフォーピースへ。ただ現地の方も、訪れるインバウンド客にも人気なので、週末や夜時は予約推奨。だいたいどの店舗でもWEBからサクッと予約ができる(もちろん1人でもOK)のでWEBからGO。

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明日から効く!マーケティング/ブランディング関連書籍レビュー

元共同通信の記者から、47newsという巨大ニュースサイトの記者になり、デジタル記事のヒットを連発した作者が書いた「インターネットで記事を書く時、どうやってPVを獲得するのか」の具体的な手法本。本書自体はネット記事の書き方を筆者の実例を交えて記載しているのだが、この本はデジタルで何らかの文章を書く人にとっては普遍的に役に立つ。例えばnoteを書いたり、ブログを書いたり、こんな感じでニュースレターを書いたり、SNSを書いたり。本書に記載されているポイントは普遍的に役立つことが多く、実例も明解なのでとても有用である。

本書の作者はSNSのような短文というよりはあくまでニュース配信サイトの記者なので、特に長文を書く場合のコツについて有用なTipsがつかめる。

・タイトルの書き方

・リード文の書き方

・本文の展開のポイント

特に私的に役立ったのは1000~3000字程度の文字数の場合の文章の流れの設計。冒頭でどのようなフックを作るのか。そこから最後まで読ませるための共感性の設計や、社会的課題の設定、あるいは場面描写から始める導入など。この著者のトライアンドエラーは記事のPVという明確な数字に基づいている成功法則であり、その意味では非常に確実性が高い。個人的には有用度合いでは今年トップクラスに素晴らしい本だと感じた。

ちなみに、新聞記者であった筆者が、ネット記事と新聞記事の書き方が全く異なることに気づくこの本自体のストーリーもなかなか面白い。事実をできるだけ短い誌面で伝えるという新聞の役割と、あまたのニュースからアクセスを勝ち取るネット記事の戦い方は完全に異なる。人の情報の受け取り方、バズ記事が乱発される先への提言なども含めて、いろんな意味で示唆深い良書となっています。

***

偏愛!なんでもインプットコラム

Oasisワールドツアー×adidasの世界コラボ分析

いま再結成してワールドツアー中で、昨週末には日本でも公演したOasis(ナンボウは残念ながら外れました、、)。そんな彼らのワールドツアー全体といま絶好調のスポーツブランドadidasが包括的にコラボレーションしています。 コラボキャンペーンの中心にあるのは下記のYoutube。「Original Forever」と題し、アディダスのファッションラインであるOriginalsと、Oasisの名曲Live Forerverをオーバーラップ。

https://www.youtube.com/watch?v=N3r7c0OH9og

そしてこの展開と同時に、世界でadidasとのコラボ商品が展開されます。adidasの象徴ともいえるトラックトップや、実にOasisっぽいコーチジャケット、Tシャツ、そして限定スニーカー。面白いのは重層的に商品が投入されていることで、adidasの店やECでも販売されつつも、会場や特設店舗では更にプレミアムな限定スニーカーや限定カラーが展開されています。私もライブには悲しいことに行けなかったのですが、トラックジャケットを買うことでその悲しみを癒しました。

「会場に向けて買って楽しむ」ことも「会場で記念に買う」ことも、あるいは私のようにOasis好きだけどいけない悲しみを服で癒すのも、なんとなく盛り上がってるコラボを店舗で手に取るのも、いろんな楽しみ方ができる幅広い顧客接点の使い方はさすがグローバルブランド×グローバルアーティストだなと。

近年のアディダス、Originalsラインのファッション文脈では音楽との接点がより重要になっています。若年層での流行だけでなく、Oasisとのコラボはアディダスのいまの勢いを40代以上にも展開するGood actionだったように感じました。あ~ライブいきたかったな。

わたしはこれをかいました。

***

今週の1曲

Champagne SupernovaーOasis
https://www.youtube.com/watch?v=tI-5uv4wryI

このカッコいいタイトルに特に意味はないらしいですが、💊をやっているときに書いたと言われている曲。壮大で、広がりがあって、でも歌詞を読んでいると実に近しいところにいるような。ドラッグに陶酔しているのか、人生に陶酔しているのかよくわからないけれど、曲の始まりは波のような音から、高揚して広がっていく諦念交じりの人生観とサイケデリックロック。

こんなもんをライブで聞いたらぶっとびそうですねえ。

***

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最後に!

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