「ハイパーローカル」なコンビニと「世界で一番高い」オーガニックスーパー、あたらしいリテールの在り方 25年7月第2号
忙しいあなたのためのマーケティング情報サプリメント。週に一度、厳選されたトレンドと洞察をまとめていきます。これを読めば「主要なトレンドをキャッチできる」、そういった想いで届けてまいります。まずはご登録をお願いいたします。
マーケティングトレンドインプット 今週のクイック解説3選
市場創造のための「価値の再定義」への挑戦。苦戦するガムがビジネス現場へ。
ガム市場は2004年をピークに縮小を続けている。禁煙の広がりだったり、グミやタブレットの伸長だったり。この構造的な市場縮小に対して、既存の土俵でシェアを争うよりも全く新しい市場を創造しようとしている。挑戦の場はお菓子というよりも「ビジネスツール」としてガムを位置づけるというもの。むしろガムを噛むなんて日本のビジネス現場でははばかられるのでは?と思いますが…
ロッテはTOPPANと組んで「社員の生産性向上」に対して、ガムが持つ「"噛む"ことによる集中力向上」というソリューションを合致させている。実際TOPPANオフィスで実証実験を行うことで、生産性が向上したとのこと。ビジネスの分野でNGだったガムをむしろ推奨に転換するというお墨付きを得たということ。しかも、もしオフィスでこれは推奨されるようになれば、BtoCだけでなくBtoBでの販売も視野に入ってくる。
もしオフィス×ガムがあたりまえになれば、オフィスワーカーにとっては平日に多大な時間を過ごすオフィスで常に接することになり消費者の接点としては大きく拡大も可能になる。もちろんそこまでうまくいくかは分かりませんが、お菓子から概念を転換し、さらにガムを噛むことの社会規範へもインパクトを与える。レバレッジが大きく効きそうな取り組みだなと思うのです。
「ハイパー・ローカル」拠点としての“古くて新しい”コンビニ、ヤマザキショップ代田サンカツ店の魅力
大手コンビニと言えば、基本的には標準化、効率性を追求しているものです。しかしヤマザキショップ代田サンカツ店は全く別方向。地域ではドラマにも出たことのある誰もが知っている店舗だそう。「超属人的な地域密着」というニッチ市場特化し、地域でNo.1のポジションを獲得。
そもそもこのお店が提供しているのはコンビニとしての商品だけでなく店主との会話、常連との横のつながり、あるいは「ただいま」と言える場所。もはや社会的な価値へ昇華されているんですよね。そうなると当然ですが他のコンビニには目は向かなくなる。とても強いロイヤリティを形成しているのです。
結果的にこのレトロなコンビニという存在が昭和的アナログを求める時代性にも結果的にマッチもしている。手書きのあたたかみのあるPOPや、店内の掲示板。あるいは瓶のコーラが人気な商品なのも、ここに来るとレトロ的要素を持つ空間の体験を楽しみたくなるからかもしれません。
コンビニといっても3大コンビニよりは商品開発力は弱いと思いますし、そもそもこのショップは24時間営業でもない。でも本当の意味での「コンビニエンス」がそこにあるのかもしれません。今度行ってみようとおもってます。
ちなみにGoogleMAPでは普通は3点台のコンビニではあり得ない高評価。口コミも読んでいると胸があったかくなるような内容が目白押しです。本当に愛されている…!
修理をフックにLTVを最大化する鍛冶屋さんの秀逸なEC戦略
地方の伝統産業である鍛冶屋さん「ふくべ鍛冶」。ECを活用してビジネスモデルを実にスマートに変革していて、経営戦略としてもマーケティング戦略としても秀逸だなと感じています。
入り口として機能しているのが包丁研ぎの宅配サービス「ポチスパ」。専用箱に入れて送るだけで職人が包丁研ぎをして返してくれる、という仕組み。現代において包丁研ぎってどこに頼むの?と感じる人が多い中で、超分かりやすい価値提供でペインを解決しているんですよね。包丁持って歩くのもなかなか今の時代抵抗がありますもんね。
ハードルの低い修理「ポチスパ」を入り口にしつつも、包丁のECも提供するふくべ鍛冶。修理でお世話になりその技術力を実感した人にとっては「刃物」の第一想起になるわけで、包丁のみならずハサミやアウトドア用品の刃物などの商品に手を出すのは自然な流れ。入り口の設計が秀逸なんですよね。包丁がない家はかなり少ないですから。
ふくべ鍛冶さんはさらにこのエコシステムを拡大しようとしているのも面白い。「修理」を横にひろげて、職人同士のネットワークをつなげ、まな板削りやハサミのメンテナンス、輪島塗のリペアなどを提供する「DAIJINI」というプラットフォームも展開。修理ならココ、というせっかく確保した入り口を「伝統的な日本のモノを直すならココ」と自然に展開しているわけですね。現代のサーキュラーエコノミーとも合ってますし、金継ぎとかも合わせたら面白いかも!
源泉かけ流し!今週のマーケティング関連トピックス(今週は19個ご紹介!)
Slack連携AIタスク管理『サポットさん』正式版リリース ── 業務の約60%占める「仕事のための仕事 (調整業務)」の削減に着手
業務をやっていると大量に発生する調整業務。
この調整業務をSlack×AIで自動でタスク整理・リマインドをしてくれるサービス「サポットさん」。
タスク管理をやりたくてやってる人はいない。
人にリマインドするのも気が重い。
これをサービスに頼めてしまうのは合理的で分かりやすいですよね~
蛇口をひねると「カルピス」が出てくる アサヒ飲料が実証実験、全国1000台へ
蛇口をひねるとカルピスが出てくる夢の装置の実証実験がスタート。
例えばホテルなどの設置してカルピスとの接点をつくる。4年で設置1000台を目指すとのこと。
カルピスのようによく知られた商品だからこそ「そこにある」なら飲みたくなる=結果マインドシェアが高まる、というサイクルが作れるね。
ZOZO、マッチングアプリ「ZOZOマッチ」を提供開始
ZOZOがマッチングアプリを提供開始。
WEARなどZOZOにはSNS的側面がありますが、これでさらに強化されるかも?
既存のマッチングアプリの基準は顔とスペックに寄りがち。
ZOZOはタグラインにも「全身見える」とあるように、そこにファッションという別の尺度を持ち込んでいる。これは面白いです!
サントリー初アサイーのペットボトル飲料で「クラフトボス」初の果汁飲料が予想外のバカ売れ 働く人のオンタイム需要を獲得
サントリークラフトボスの新商品、ベリー&アサイーが予想外の爆売れ。
クラフトボスのブランド拡大はスゴい。
意外にベリー系飲料でアサイーを見かけることは少なく良い目の付け所。
実は30-50代男性に売れてるらしく「アサイーに興味はあるけどアサイーボウルははずい」みたいな層がいたのか!?
なぜサイト滞在時間は「長ければ良い」とは限らないのか
WEBサイトの評価指標として昔からある「サイト滞在時間」。
ただあらゆるUXが加速している今の時代、本当に「滞在時間が長い」=良いなのか?という考察。
仰る通りですよね。
UX改善なら滞在時間は短い方がいい。
あくまでユーザー体験から考えた時に適切な時間を目指す。
オークリーMetaスマートグラス発表、日本含まぬ18か国で販売。国内で使える?レイバンメタとの差など注目点をチェック
アメリカで大ヒット中のMeta社のスマートグラス。
第一弾はRay-banでしたが、第二弾はオークリー!
そもそもスマートグラスを掛け続けるかは難しいところ。
とするとスポーツの場面やサングラスに強いオークリーと次に組むのは納得ですよね。
ゴルフとかスマートグラスと相性良さそう。
横山隆治氏が「新トリプルメディア」で示す、次世代広告の勝ち筋
テレビは強くても「主」ではない。
そんな時代のあらたな「トリプルメディア」を提唱するコラム。
現代は1つのメディアでパーセプションは作れない。
インサイトを抑えるSNSを中心に、TV+WEB認知広告をインプレッションで考える。ここに購買の場所のメディアを合わせる。
構成として納得感あり。
スイーツ系ごま豆腐の販売が6年で5.6倍に 仕掛けたふじや食品のこだわり
福井県の企業、ふじや食品。
インパクトあるスイーツ系ゴマ豆腐を発売したら販売数5倍以上に。
実はごま豆腐はスイーツとしても食べられていた。
それを活用して「甘さ」をはっきり強調したインパクト商品や、コラボ商品も展開。
するとプロモなしで大成長。
商品特性を見せ方で増幅してる好例。
「食べログ離れ」は誤りだった 売上は過去最高を更新、利用者数はなぜ増える?
「食べログ離れは誤り」という記事。
食べログは過去最高の業績を記録。
問題となった食べログの点数アルゴリズムの問題は正直変化している感じはしないですが…
そんなことよりもネット予約可能店舗の増加と、顧客目線でも使いやすいUXが強いですよね。
店舗も増加中。
100 年以上スパイスを研究してきたエスビー食品が開発 刺激的でフルーティーなスパイスドリンク スパイスチャージ 6月26日 新発売
エスビーからショットサイズのスパイスドリンクが登場。
これ、海外だとよく見かけるやつ、遂に日本でも登場してますね~。
量は50mmのショットサイズ。「飲んだ感」のあるスパイスの味をSBらしく活かし、3種類でそれぞれ機能を訴求。
この形、日本でも広がるかな?置く場所が大事そう。
吉野家が初の麺商品、コメ高騰にも対応 7月4日にまぜそば発売
吉野家が初の麺商品「牛玉スタミナまぜそば」を発売。
メニュー絞り込みしていた吉野家もまただんだんメニューが増えてきていますね。
米高騰にも対応。
もちろん単なる混ぜそばじゃなくて、しっかり牛肉訴求です。
今回は期間限定。
「これ、本当にわさび……?」 ドンキ、見た目が斬新すぎるおにぎりが生まれた背景
ドンキのわさび新商品。
このパッケージの分かりやすさ、インパクト、独自性。どれをとっても素晴らしい。
こんなに価値が伝わりやすいパッケージあるか?ってぐらい。(もちろんあくまでドンキの文脈があるからですけど)
年間6億円の売上貢献 「CX設計の巧者」はせがわのアプリ改革
「お仏壇のはせがわ」のアプリ。
なんで?と感じるかもしれないが、なかなか法事のタイミングをしっかりスケジュールできている人は少ない。
お仏壇購入のタイミングで個人の命日を登録し顧客データベースに。
法事など区切りのタイミングで情報配信する効率運用で売上向上。
メガネ選びの“わからない”に応える「JINS AI」 わずか3カ月でのローンチで乗り越えた壁
JINSが提供する“メガネ選び”のAI、JINS AI。
面白いのはAIだけど使えるのが「店舗限定」だということ。
WEBでの活用というより「店舗体験の進化&効率化」の位置づけ。
実際に効果としては接客「以前」の悩みを応対したり、インバウンド客の接客をしてくれたり、メガネの購入につながる動きを確認。
「リアルすぎる付録」が売れまくる…「新ブーム」幼児誌を大人がこぞって買うワケ
リアルすぎる付録つきの雑誌が売れているとのこと。
発売1カ月で完売、重版も続く信号機やATMの模型。
いまの子どもは生まれたときからタブレットに親しんでいるため「物理的にリアル」な商品は魅力的に映っているのかな。
カラオケで「推しと共演」 まねきねこのコシダカHD、原盤を音源に
カラオケまねきねこ、独自のこころみ「本人音源カラオケ」がスタート。
従来のカラオケは基本的に電子音源。本人が歌うパターンはライブ映像ではあっても、原曲ではない。
今回は実際に本人の音源で一緒に歌えるとのこと。
これはいろんな活用ができそうだし、バズる動画も出そうです。
スタバ、ブルーボトルの脅威 ドトールが手掛ける「異色の新業態」
ドトールが仕掛ける新業態は「本と珈琲 梟書茶房」
本に囲まれたレトロブックカフェがコンセプト
面白い!
なんと一時期は4時間待ちも。実際に本も販売してます。
「購入するまで中身がわからない」文庫本など売り方も工夫。月6000冊売れることもあるとか。
「本と珈琲のセット」もあるらしい。
マネーフォワードプライベートバンク、超富裕層のための資産管理プラットフォーム『Money Forward Private BANK』を2025年6月25日より提供開始
マネーフォワードのプライベートバンクアプリが提供開始。超富裕層向け。
条件は資産10億円以上
専用アプリは利用料12万円、コンサル10万円
確かに富裕層からしてみれば資産は散逸している。
「把握すること」に投資することもいとわないか。
雪印「6Pチーズ」が過去最高売り上げ N=1で価値を見直し再成長
誕生から72年という超老舗商品の6Pチーズ。
しかしいまが最高売上らしい。
新規顧客の開拓は特定のオケージョンを追求するn=1発想の訴求。
例えば朝の時短に6Pチーズを使うだけで「一品増える」という時短×朝食訴求。確かにチーズがあるだけで少し嬉しいよね。
海外現地調査レポート:LAの超高級スーパーErewhon(エレウォン)に潜入して、約3,000円のスムージーを飲んでみた
ロサンゼルスに昔からある超高級オーガニックスーパーErewhon。もとから人気はありましたが、コロナ以降に大きくブランド戦略、商品戦略を仕掛けてその人気を圧倒的なものに変化させているんです。コロナ前ぶりに自分も潜入してきました。(ちなみに創業者は日本人らしい…!)

店内にはオーガニック総菜やスムージーが並びます。スムージーの品ぞろえは圧倒的で全てがオーガニック。おいてあるPB以外のブランドも、みんなが知っているような有名ブランドはほとんどなく、ローカルだったり、こだわっている小さなブランドの商品が少しずつ置かれているんです。おかげでとにかくただ棚を見ているだけで楽しいし、無限に買いたくなってしまう。価格は物価が高い米国の中でも、本当にトップofトップであり、価格コンシャスな人はお断り、という雰囲気です。買い物行為自体がステータスになるような場所。日常使いというよりは、目的地になるようなスーパーと言えるかもしれません。

オリジナルのグッズも充実していて、フーディーやトートバッグなどいろいろ。大き目のトートバックはなんと100ドル。確かにトートバックの世界ではトップクラスにいい生地なのですが、ハイブランド並の価格です。実はErewhonはハイブランドともコラボしており、バレンシアガやUGG、レストランのNOBUなどともコラボを発表。スーパー×バレンシアガ、もちろん世界で唯一です。

Erewhonの人気に火をつけたのはコラボスムージー。モデルのヘイリー・ビーバー、あるいはサブリナ・カーペンター、オリヴィア・ロドリゴなど錚々たるメンバーと次々コラボ。僕が飲んだのはヘイリーのスムージーですが価格はなんと約3,000円。さすがにくらくらする価格ですが、中身にはコラーゲンペプチドや海藻ジェル、ヒアルロン酸など成分目白押しでもちろんすべてオーガニック。当時はこのスムージーをインスタにシェアする人続出だったとか。ちなみにBLAKPINKのリサともアイスティーでコラボしています。Erewhonでいろいろ買い物したら余裕で数万円いくことを考えると、Erewhon体験を3,000円でできることは安い気もする。ブランドの入り口として機能しているんですね。Erewhonはセレブも行く世界最高の場所と考えればスムージーを片手に写真を取ればErewhonファミリーの一員になれるなら安いモノでしょう。


Erewhonは話題性だけでなく、その狂気的なオーガニックへのこだわりがそもそものブランドストーリーのベースにあります。ErewhonPBはこの数年で増え続けいまや売上の40%がPBと総菜に。食品だけでなく、コスメやサプリなどもErewhon印で展開されており、強固なブランドがPB販売を促進しさらにプレミアムプライスを実現する。この好循環が生まれているんですよね。

店内は非常に美しく、青果の並べ方なども細かくデザインを計算されており、いつ訪れても床は光り輝いている。ディズニーランドにゴミ一つ落ちていないように、Erewhonは体験の場所として、買い物エンターテインメントスポットとしての価値が非常に高いです。海外スーパー好きの僕は1つ1つの商品を細かく見ていたらマジで2時間経っていました…
世界で一番買い物が楽しい(そして世界で一番高い)スーパーなのは間違いないでしょう。ぜひカリフォルニアに行った際は記念にスムージーをどうぞ。
明日から効く!マーケティング/ブランディング関連書籍レビュー
博報堂生活総合研究所『消齢化社会 年齢による違いが消えていく!生き方、社会、ビジネスの未来予測』
いつも消費者に関する面白い分析を提供してくれる博報堂の生活総研の書籍を今回は紹介します。近年の消費者の変化についての理解に非常に有用な一冊でしょう。
消齢化社会とはなにか?日本人の年齢による意識や価値観、嗜好の違いが小さくなっている現象のこと。生活総研は92年から継続する定点調査を持っているのですが、その分析の過程で近年、年代観の価値観や意識の差が減少していることを発見したのです。
原因として考えられるのは「シニアがそもそも元気になった」「年齢という社会規範が弱くなりみんな気にしなくなった」「インターネットにより世代間の情報取得ギャップが減った」「みんなが同じ失われた30年を生きている」「人生の長期化により現役年代の幅が広がった」など。
マーケティングの世界でも、10年以上前は性年代のデモグラフィックでターゲティングするのがあたりまえでした。ただこうやって世代間により意識差が減るということは、年齢ターゲティングの効力が失われつつあるということを示します。人は世代ではなく、価値観で別れる時代なのだと。そして価値観は非常にファジーなものなので、そもそも「人を集団としてとらえる」ことが難しくなっているともいえそうです。
マーケティング観点で難しいのは従来型のメディア、テレビや雑誌などは基本的には世代で作られているということ。女性ファッション誌が分かりやすいでしょう。依然としてデジタルリテラシーも存在するため、SNSをはじめとするメディアにおいても世代の差は存在します。従って商品開発や訴求メッセージ、クリエーティブの方がメディアより先だって消齢化を意識して作る方が良い可能性があります。実際音楽などは分かりやすく、いまは若年層が80年代、90年代の曲を当たり前にカラオケで歌ったり、Tiktokで踊ったりしている時代です。
年齢という分かりやすい区切りがなくなった中で、本質的な人間理解を先行して進める必要がある。そんなアプローチが求められるのかもしれません。
1年後に効くかも?あなたにおススメなインプット
『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』エリック・ジョーゲンソン (著),
インドで生まれ、米国で育ったナヴァル・ラヴィカントはレビューサイトを創業したのち、初期のTwitterやUberにも投資するなどエンジェル投資家としても成功。シリコンバレーにおいて象徴的な存在であり、いまは思想家としても活動している人です。そんなナヴァル氏のつぶやきをもとに、彼の考えを掘り下げていく人生哲学本となっています。
ナヴァル氏の考えの面白いところは、元実業家・投資家としての視点がある人らしく、非常に実践的な視点で考えていることです。そして実践的でありながら、普遍的な知恵に昇華させようという嗜好がある。この「合理的な哲学」がビジネスパーソンたるわたしたちには響きやすいし、活かしやすいのではないか、と思っています。
例えば「運」という論理から遠いところにありそうな概念も、彼は「盲目的な運」「努力に伴う運」「機会を見抜く能力による運」「人格や特殊知識が引き寄せる運」に分類し、後ろに行くほど自分でコントロールできる運だと言うのです。こうした運を引き寄せるために、他社に比べて独自性のある特殊知識を持つべきであり、また適切な機会を伺える状態にしておくことが大切だ、と説くわけです。投資に関する彼の考えとにていて、とにかくすべてにおいて「複利」で考える姿勢が一貫している。
ナヴァル氏のスタンスは自己のコントロールであり、自己責任の上で努力を実行すること。ストア派哲学や仏教哲学との関連性が高いように思えます。あくまで自分がコントロール可能な「どう動き」「いつ/どこで/なにを選択するのか」だけを考える。欲望や怒りは自分の精神で制御する。そう考えると古くからある概念をシリコンバレー流の簡潔さと合理性で再整理した体系と言えるのかもしれません。
僕にとってはこの数年で読んだ人生哲学の本では圧倒的に有用性が高く、内容としても自分の糧になる本なので、あらゆる人にお勧めです!
今週の1曲
マーケティングジャーニー

今回は曲…ではなく音声コンテンツとして、自分もPodcastを始めてみました!のでそちらを紹介します。
令和トラベル社のブランディング・PRをお手伝いしていた際からの友人、元テレビ朝日テレアナウンサー、現令和トラベル執行役員の大木優紀さんが快くOKしてくださって、2人で毎週お届けするマーケティングやブランディングの深掘りラジオをはじめてます。
まだまだはじめたばかりなのでお手柔らかに、という感じですが、このニュースレターが物量でネタを浴びるものだとしたら、Podcastの方は1つの回で1つのissueを深掘りする内容となっています。いまやビジネスの分野でかなり活用されている音声コンテンツ、少し違った切り口でやってみようというチャレンジです。
収録したものを聞いているたびに、元アナウンサーのゆうきさんの声が素晴らしすぎて、自己嫌悪がヤバいのですが、少しずつ聞きやすく自分も頑張りますので、通勤中や家事の時にでも、ご視聴していただければ嬉しいです!
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