時代のトレンドは韓国から中国へ?Z世代のトレンド発信地RED(小紅書) 25年7月第5号
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マーケティングトレンドインプット 今週のクイック解説3選
トレンドは中国へポスト韓国時代のZ世代マーケティング
これまではZ世代の流行の発信地といえば圧倒的に韓国一択でした。ただ今年、一気にRED(小紅書)がトレンド震源地として増えている状況。情報伝播の経路も「RED→情報感度の高いインフルエンサー→TikTok/Xで拡散」という新しいモデルになりつつある。感度の高い消費者は常に最新を探し求めるもの。韓国トレンドが多くの人にとって新しさを失っているところもあるかもしれない。(ただ韓国フリークとして擁護すると韓国トレンド全体が広がった、という方が近いと思っています。マスっぽい情報は最先端ではなくなった、というイメージ)
同時にロールモデルが「韓国美人」から「ワンホン美女」へと移行。ワンホンとは中国におけるインフルエンサーの呼称。単なるインフルエンサーというよりも、見た目や人間性も含めた存在自体が憧れに見られているイメージです。
注目するべきは「中国」と「RED」のトレンドは並行しながらも、別々のトレンドとして存在していそう、ということ。TikTokやInstagramに変わる新たな「場所」を探しているトレンドセッターからすると、最も「新しくて見たことのない情報」が流れてくるREDがたまたま中国のアプリだった、ということに近い。
一方で場所としての中国もトレンドになりつつある。今年からビザ不要で入国できるようになり、上海を多くの人が訪れていたり、ラブブを中心とした中国のプロダクトやアパレルが注目されたり…と、Googleも使いにくい場所ながら一気に「発見感のある場所」として中国が見直されているのだ。
「リーディング・リトリート」が示す、新しいラグジュアリーツアーの形
「読書をする旅」が今年の旅のトレンドになっている。
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リゾート地のホテルでは詩人を招いて文学サロンを開催
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ホテルの真ん中に図書館を設置する場所も
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読書をテーマにしたメニューを用意するホテル
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みんなで輪読会をするセッション
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ブティックホテルはブルックリンの人気書店とコラボ
提供するホテル側からすれば、天候に左右されにくい読書という屋内アクティビティを核に据えることで安定した集客を見込めるようになる、という利点がある。
生活者視点で言えば、ホテルが文化的なハブになっている。ということが言えそう。単なるハコとしての場所ではなくて、体験が集積された場所になっている。さらに本はコミュニティを形成する重要な媒介にもなっている。本を通じて会話が生まれたり、読書会で交流が生まれたり、輪読会をしたり。本来は内省的な行為の1つである読書が、ホテルを通じて体験型のアクティビティに生まれ変わっているというのは面白い話ですよね。
「モデスト・ファッション」が象徴するムスリム市場を起点とした拡大
インドネシアのファッション企業「ボタンスカーブス」の海外進出が加速しているとのこと。インドネシアは実は世界最大のイスラム教徒を抱える国なんです。87%がイスラム教の信仰者。ただ、国教はイスラム教ではないし、ヒジャーブの着用が強制されていないなど、比較的マイルドな国です。
そんなインドネシアで生まれたボタンスカーブスは2016年にブランドローンチ、当初はオンラインだけだったものの、今となってはインドネシアやマレーシアに店舗を持ち、ロンドンやパリでコレクションも展開するように。ボタンスカーブスは自社のファッションを「モデストファッション」と名乗っている。できるだけ肌の露出を控えなければいけないムスリムのムスリムファッションを言いかけたカテゴリーワード。
このカテゴリにすることによって、世界で増大するムスリムだけでなく、保守的な服装を好む女性向けにターゲットを拡大しようとしている。特に消費が旺盛な中東が重要なターゲット。ハラル・フードが盛り上がるように、巨大なムスリム市場を狙ったブランドは今後増えていくのではないかと感じる。世界が近くなった今「グローバル・イスラム」をどう狙うかも重要なマーケティングに。
源泉かけ流し!今週のマーケティング関連トピックス(今週は15個ご紹介!)
マクドナルドが示す「市場細分化」攻略法 ブランドとは体験の積み重ね
マクドナルドの秀逸な文脈活用。
例えば、
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日本のアニメでよくMを逆にしたWのハンバーガーチェーンが出てくる→あえて「ワクドナルド」製品を発売
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1回目のデートでマックは最悪→100回目のデートなら素敵キャンペーンを実施
消費者の持つマクドナルドの文脈をうまく活用し、ブランドに取り込む
Z世代も支持する「無人カフェ」急増の裏側は
最近「無人のセルフカフェ」が急増中。
カフェといっても、自動販売機でドリンクを買うだけで気軽に利用な空間。そこへ行って飲み物を買えば「いてもいい」という気軽さが売り。
猛暑の中、なかなか日本では落ち着ける場所が少ないので「場所」が求められているのかも。
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