「国内マス」から「グローバルニッチ」へ ボーダレス時代の商業施設のありかた変化 25年7月第4号
忙しいあなたのためのマーケティング情報サプリメント。週に一度、厳選されたトレンドと洞察をまとめていきます。これを読めば「主要なトレンドをキャッチできる」、そういった想いで届けてまいります。まずはご登録をお願いいたします。
マーケティングトレンドインプット 今週のクイック解説3選
noteの生成AIに対する強さ、一方でディープリサーチの時のnoteソースにご用心
リンクの調査によれば生成AIとnoteの相性は非常によく、一般的なサイトと比較すると取り上げられやすい(note側からすると生成AIからの流入が多い)という特徴があるらしい。確かに自分でDeep reserch回していると、結構な確率でnoteがソースに入っていることがあります。これ、確かに分かるなあと思うのは、noteには大量のロジックが転がっているので、ある意味生成AIが顧客の望むと推察した調査結果をアウトプットをするのに「都合が良い」ことが結構あるから、というのがありそうだなと。もちろんSEOの強さもあるとは思うのですが。
ただここには功罪があって、noteの多くは個人の感想や意見であってそれが「一次ソース」のように使われてしまうと、調査結果を見誤って理解してしまう可能性があるということ。なので私は特に真実性を求められる分析を行う際は「noteや個人ブログを参考から除外する」といった指示を入れることも多いです(英文リサーチならmediumなど)。あるいは学術論文や公的な統計、信頼性の高い情報源を重視する、などの表現を入れてもいいですね。
一方でnoteが取り上げられやすいこと自体は事実なので、AIO(SEOならぬAI向けのアクセス獲得最適化)をうまく行うことで多くの参照を得ることは可能です。おそらく今後、noteを入れたことでのアウトプットのブレなどは指摘されるようになるので、noteの中でもより信頼性が高いものが選ばれるようになる可能性も多そうですし。
Deep Researchは便利ですがハルシネーションだけでなく、一次情報と二次情報、代表制などをシビアに評価するチェックをDeep reserchのアクションの中で完了させる、そういう指示を入れるのも効率的かなと思っています。私は最近そうしていますのでおススメです!
パッケージで仁義なき「無添加ハック」が起きている
無添加というキーワードにガイドラインが施行され、大幅に店舗から姿を消している。なぜ健康に良いのか、の科学的根拠や便益がなければ名乗れないワードになった。まだ移行期間中だからこそ、完全にECも含めて表記が統一されていない(のか?)が、こうした消費者庁の姿勢は今後も強化されていく可能性もあり、オーガニック市場の真なるオーガニック、真実性が追求されるようになっていくのかもしれない。
「無添加」でなく「無添」といったワードの活用による抜け道的表現も確認することができるが、近年特定栄養素(鉄分やビタミン、プロテインなど)への注目も集まっていることもあり、そもそもただの「添加していない=すなわち健康である?」というある種の思い込みを活用した、あるいは日本特有の化学調味料や添加物への恐れを活用したワーディングよりも「具体的に健康によい何が入っているのか」を表示する方がより強くアピールする、という消費者の変化も生まれてくるのではないかと考えている。
渋谷PARCO、絶好調でもなぜ大改装? 「グローバルニッチ」を狙うワケ
日本にもすっかりインバウンド消費が復活する中で、「国内のマス」ではなく「グローバルニッチ」が1つの勝ち筋としてカルチャーの世界では広がり始めている。従来の商業施設では国内の不特定多数を相手にしないと商売が成り立たなかった。しかし今なら「全世界から熱狂的ファン」を集めれば十分に商売が成立するようになった。しかも渋谷PARCOは世界に誇るカルチャー都市、東京のど真ん中にある。商業施設というよりは、流行の集積地点としてのメディア化が進行しているともいえるだろう。単なるテナントの寄せ集めでもなく、渋谷PARCO自体がブランドで、更にそのブランドが集めたキュレーションに価値を出すという考え方。
しかも渋谷PARCOはインバウンド比率40%といっても、単に爆買いがいっぱい、というよりはここを目的地として人が集まるな場所。さらに非効率的な計算された混沌はショッピングの楽しみを最大化しているという印象。さらにPARCOは単に売る場所でなくい、体験的な側面もより強化しており、よりインバウンドが楽しめる場所としての側面を強化している。
源泉かけ流し!今週のマーケティング関連トピックス(今週は21個ご紹介!)
「UPSIDERが消滅するシナリオ」── 1枚のメモから始まった過去最大投資の舞台裏
いま、法人向け金融市場に三大メガバンクが本気で乗り出し、地殻変動が起きている。
そんな中、この領域のスタートアップUPSIDERが攻めの投資をするにあたり、社内にトップが出した文書が熱い…!
市場の変動を味方につけ、会社自体の熱量を高め、投資と新規事業で再加速する。実にスタートアップ。
YouTubeはなぜ「急上昇」を廃止?データから見える、新しいヒットの出現
YouTubeより驚きの発表。「急上昇」が廃止されるらしい。
公式からの発表には「この 5 年間で [急上昇] ページのアクセス数は大幅に減少」とある。
トレンドが細分化していく中で「みんなのヒット」を見たい、というニーズが低下した、という証明になっている。
【下北沢】JT、全席喫煙可能なカフェ「喫茶ハイライト」を期間限定オープン - 限定グッズの販売も
JTの紙タバコ銘柄「ハイライト」の65周年記念イベント「喫茶ハイライト」が下北沢で先日開催。
65周年という歴史を活かしてレトロ喫茶を実際に作ってしまおうというタイムスリップ企画。
場所が良いだけでなく、ライターやマッチ、看板などレトロ風のグッズもカワイイ。
歴史あるブランド×レトロ
声そのものがウソだった…「お気に入りのラジオDJは実在しなかった」リスナー7万人が騙された"美声の正体"
平日毎日、HIPHOPの番組を進行していた女性DJ、実は生成AIがしゃべっていた…というオーストラリア/シドニーの事件。
半年で7万人のリスナーがいたらしく、みんな気づかなかったのは驚きです。
音声AIを作る会社とラジオ局の実験的試みだったものの、そのことを明記していないことは賛否。
アート投資で富裕層囲い込み競う 大丸松坂屋、作品売上高2割増
大丸松坂屋ではこの5年でアート作品の売上が2倍になっている。
松坂屋名古屋店では国内初、1フロア全てがアート専用とのこと。
特に若年富裕層でアートへの興味が高まっており、現代アートの取り扱いが増加。
世界のアート市場で日本のシェアはわずか1%。経済規模を考えれば伸びる余地はあるね。
広告運用で「訴求開発」が迷走してしまうワケ
特にWEBの広告運用において「勝ち訴求が固定化して広がらない」問題はあるあるの課題。
そんな訴求開発の目的、開発のプロセスを分かりやすく解説した良記事!
「買いたい人を逃さない」クロージングの広告だけでなく「買いたい人を増やす」顧客の拡大も両輪。
しんどいときに休める空間「カームダウンスペース」広がる。駅や博物館、大阪万博にも登場
しんどい時に少し休める「カームダウンスペース」
最近、様々な施設で見かけるようになりました。
スペースはパーテーションで区切ったところにソファがあるだけのところもあれば、様々な意匠を凝らした部屋も。
海外の美術館だと、刺激の強い展示の隣にあったりしますね。
ローソン、冷凍おにぎりを全国展開へ 冷凍調理パンも続く
ローソンの冷凍おにぎりが好調で全国展開決定。
さらに冷凍調理パンも新展開。
冷凍おにぎりで展開されるのは、常温おにぎりと同じ味(胡麻さけとか)
ここがミソですよね。「慣れ親しんだもの」が食べられる。しかも賞味期限が1年と長く、常温と比べて1-2割安い。
実はうまいブランド拡張なんです。
2050年の家族は「親子3人+1匹」 犬や猫、健康や幸福にプラス
日本の少子化の進行に対して、犬・猫の飼育頭数は常に上回っており差が拡大している。
健康管理は人間並に扱われており、ペット関連の年間支出は10年間で1.5倍に増加。
日本でペットは正式に「家族の一員」としての立場を強め、よりポピュラーになりつつある。
「寄せて上げて」はもう古い? ユニクロやファミマが変える“下着の常識”
ワイヤーブラからノンワイヤーブラへ。
ブラジャー市場において、2023年度は「ノンワイヤーブラ」が「ワイヤーブラ」の市場規模を上回ったらしい。
これは大きな市場革命。
女性の生活や価値観の変化で、快適性重視で売れるように。さらに「見せる下着」としても進化
ディズニーともコラボ 中国発・雑貨大手の巧みなIP戦略 店舗を「コンテンツ化」する仕掛けとは?
中国発の雑貨チェーン「MINISO」。
もともとは無印とDAISO風のロゴ、店舗、商品で拡大してきて“日本風”を追求していたが、2022年8月に公式に謝罪し、ブランドポジショニングを大転換。
そこから「IPデザインリテール」へ変更。
あらゆるIPを活用し、写真のような超大胆に店舗を活用する戦略へ。
あのゴディバが密かに抱えていた《重大課題》。「ギフト市場の縮小」「暖冬」「日常使いしづらい」…他には? そして打ち出した打開策の実態
ゴディバ×バターの新店舗「Gバターズ」なる店があるらしい!
印象的なイラストの箱に入っているのはバターをたっぷり使ったサンドやフィナンシェ。
ゴディバはチョコのイメージがあるが、焼き菓子ももともと売っている。これをチョコ×発酵バターで商品を揃え、ブランドに。
新たな接点になるか。
コジマ、メルカリShopsにアウトレット出店 実店舗内には「メルカリインフォメーション」常設
家電量販店コジマのアウトレット店舗×メルカリのコラボ。
オンラインとオフラインの両方の接点があることが強みで、オンラインでは「メルカリshops」へ出展、オフラインでは梱包資材の購入や発送受付が可能なインフォメーションが開設。
“安い食材”が“贅沢料理”に変身「ほぼアレ」レシピが人気【THE TIME,】
「ほぼアレ」な“代替レシピ”が広がってる。
-
えのきでホタテを再現する、など高い食材の再現レシピ
-
オートミールでたこ焼きを作ったり、ビーフンでドバイチョコレートを作る再現レシピ
どちらもSNSでバズりやすく、試す楽しみがあり、安い。
楽しく安価なジャンルに。
誕生から2年…スレッズが日本で得た“意外な評判” 次に目指すは「インスタからの独立」、従来と異なる広告プラットフォームになる可能性も?
日本におけるスレッズの独自進化。
世界でも日本はアクティブな利用者が多いとのこと。
テキスト長文がOKなスレッズは「おきもち」を表明するのにうってつけのSNSになっている。
まるでラジオを聞くように、長文で胸のうちをひらいて、コメントで交流して、とかなりコミュニティライクな感じですね。
前年比130%! 映画館の新ビジネス形態「イベント上映」の進化点
前年比130%で開催数が増加する「イベント上映」
-
スペインサッカーの試合の応援
-
2.5次元部隊のライブ
-
鬼滅の刃のリバイバル応援上映
-
観客投票で7通りのエンディングが選べる「ヒプマイ」映画
など超インタラクティブに進化。
ヒプマイは価格2,500円。単価も上がる。
クールな新しい宗教が、ジェネレーションZの人々を結びつけ、癒している
Z世代はとってもスピリチュアルへの関心が高い。
それはつまり、宗教に対する関心も高いということ。
若年層は上世代に比べ信仰にオープンで、信仰心も強い。
そんなニーズに対して、優れたタイポグラフィデザインの聖書が作られたり、現代的な教会が生まれたり、説教の内容も変化したり。
DMMのオンラインクレーンゲーム好調 人気で売上高は2.2倍
DMMのオンラインクレーンゲームが好調で売上は2.2倍に。
背景には推し活が、DMMオン暮れのプライズは、アニメやアイドル、YouTuberなどの限定商品が多い。更にプライズ自体も基本はIPものがおおい。
「ちょっとした体験」でリアルな商品をゲットする。
その過程が推し活と絡んで価値になっている。
偽造高級ハンドバッグの闇の儲かるビジネスの内幕
ハイブランドには偽物がつきもの。ただそれは主に見るからに分かる粗悪品。
しかし近年「ミラーバッグ」と呼ばれる、価格10万から100万に近い高級品が登場。
もちろんホンモノよりは安いものの、偽物の精度が圧倒的に高いことが特徴。
ハイブラの製造原価が報道されるいま、偽物の価値が上がる。
英マクラーレン日本代表「超高級車ブランド、日本が重要市場に」
超高級車ブランド、マクラーレン。
日本販売が好調とのこと。
むかしは「高級車」としてひとくくりにされていたが、高級車の1つ上「ラグジュアリーカー」という別のセグメントが誕生。
若年新富裕層を中心に改めて価値が見直され、販売が伸長しているとのこと。
1位の「カブトムシ」は1分24秒 カラオケで“サビだけ”がウケている理由
「歌うのはサビだけ」のサビカラ、人気曲ランキング。
サビが印象的な曲が強い。
「サビだけ」なので演奏時間は40秒~1分ほど。
通常の曲が4-5分程度と考えると相当なスピード感。カラオケにも「タイパ消費」の波がきている?
歌が得意でなくても、覚えてなくても歌えるハードルの低さも。
海外現地調査レポート:バンコク チャイナタウン地区のソンワット通り 今バンコクで一番トレンド先端なエリア
バンコクの中心部から少し西、チャオプラヤ川沿いにある旧市街、チャイナタウンの中にあるソンワット通りはいま一番バンコクで盛り上がっているといってもいいエリアです。世界的な潮流とオーバーラップするように、もともと川沿いでの物流拠点として多くの倉庫があったこの街、その小規模ながら古い建物、倉庫を活用したバーやカフェ、ギャラリーやホステルが増えてきている場所なんです(近くまで地下鉄が延伸したり、コロナ禍でタイ人が中心部の人込みを避けて周縁部に広がったことも影響しているとか)

そうして実際に集まってきた新店舗の経営者が集まってローカルなネットワークを形成しているらしく、街のガイドブックを自主製作して発信したり、地域の祭りイベントなども開催し、卸売りの街から「新しい文化が生まれる街」に変化してきたんです。また、タイ政府や自治体の後押しもあるらしく、この一帯+タラートノイというチャイナタウンの地区全体が「バンコクデザインウィーク」の主要会場にもなって流れは加速。バンコク市民に再発見され、あの有名なイギリスのタウン情報誌Time outでは「世界で最もクールな地区」の39位として2023年に選出。観光客の訪れる街にもなったとのこと。

この地区は19世紀末に建てられたコロニアル様式の商館や倉庫が多く、近代東アジアの香りのする赤煉瓦の建物が多い。ここに新しい店がどんどん生まれているわけです。このエリアはBURBERRYの2025年のキャンペーン「Festival ’25」にも使われいて、街全体にBURBERRYのキャンペーンポスターを張りまくる手法を採用してます。ロンドンやニューヨーク、ソウルなどの特にクリエーティブだと言われている町で中心に行われいて、バンコクではこのチャイナタウン周辺地区が選ばれているっていう背景がある。それぐらい面白い街だと言われているんですよね。

面白いお店を2つ紹介します。
1つ目はLocal Boys Coffee Co.

まだできて1年程度のこの店、実にいまっぽく、そしてソンワット通りのエッセンスも詰め込んだ非常にcutting-edgeなお店だったので紹介します。

ソンワットの端の方、しかもメイン通りから一本入った路地の中に突然あるこのコーヒー店はめちゃくちゃ空間デザインが面白い。築100年の建物をリノベしつつ、店内はロゴとサインでネオンオレンジのレトロフューチャーな雰囲気に仕上げているサイバーパンク的な雰囲気。

ここが面白いのは、半分ぐらいのコーヒーメニューをアルミ缶で仕上げてくれること。プラカップを削減し、容易にリサイクル可能なアルミ缶で提供。さらにその場で氷を入れて蓋を締めてくれるので、そのまま持ち歩いて好きなタイミングで飲むこともできるし、この缶がめちゃくちゃ映えるんです。

サイバーパンクっぽいロゴも感の縦型サイズに合わせたロゴでうまく仕上げられているし、この缶自体が周囲に話題を呼び込む装置にもなっている。実に今っぽいプロダクト×空間×UXデザインの秀逸な設計で素晴らしいんです。

2つ目はROAD OF CINNAMON

2023年に出来たばかりのハンドクラフト品のセレクトショップ。他と同様に歴史的建築を改装した店舗となっており、築100年以上らしい。店内に並ぶものはタイ全国77県から集められた手仕事の品。実際に運営チームが歩いて集めたものを収拾するスタイル。ただ集めるだけでなく、この店がオーダーしたものも多い。よく観光地にある雑多な工芸品ショップのように見せかけて、タイの文化や77県の広がりを精緻に計算したラインナップでずっと見てしまう面白さ。あくまでタイ国内に徹底してこだわっているのがポイントで、5バーツぐらいのものから数十万まで非常に幅広いのが特徴です。
明日から効く!マーケティング/ブランディング関連書籍レビュー
DATA is BOSS 収益が上がり続けるデータドリブン経営入門』
「データを分析すべき」「データドリブン」などの言葉をあたりまえに聞くようになった今、データを分析することが「重要ではない」という人はさすがに居ないとは思います。一方ででは実際にあらゆる意思決定に対してデータを取り入れ、サービスを改善し、売上や利益を高めていく、その超具体的な事例について知ることが可能かと言えば、意外とその実例は少ない。
この本は実際に高級宿予約サイト一休.comの社長であり、データサイエンティストでもある榊氏が実際に一休のあらゆる局面にどのようにデータを活かしたか、の事例で語られておりとても実践的で素晴らしい。データ分析といっても何から?と感じる人にぜひ手に取って欲しい本です。
著者は本当に様々な局面にデータを活用しており、顧客セグメントに基づくターゲット選定から、一休のUSPの特定、会員プログラムの構築、宿泊プランをどうレコメンドするか、誰にどのように割引するか、LTVをどのように分析するか、などを机上の空論ではなく、実際に一休にどう活用したかとセットで記載してくれています。
ともすればシンプル過ぎる、簡単すぎるように感じるかもしれませんが、実際にデータを分析したことがある人はお分かりのように決してデータ活用において非常に複雑なデータ分析が常に正であるわけではありません。むしろベースとなるデータをどのように切って、どのように仮説を立てて掘り下げて、といった分析は時には非常にシンプルであったりもする。もちろん本書は経営における様々なシーンにおいてある程度平易に書いてくれているとは思いますが、複雑な分析以前の「データ活用のあり様」を徹底してリアルに、そして経営だけでなく、プライシング、UX、CRMとあらゆる領域に適用可能だということも明確に教えてくれるわけです。
高度な分析の本ではないものの、データを少しでも取り扱う人にとっては具体の事例から発見がある良い本だと思います!
1年後に効くかも?あなたにおススメなインプット
『BLUE GIANT』シリーズ
映画化でも記憶に新しい『BLUE GIANT』ですが、漫画が「ジャズ大河ドラマ」として圧倒的な完成度になってきているので、ぜひ原作をおススメしたい!1部は日本編、第2部「BLUE GIANT SUPREME」はヨーロッパ編、第3部「BLUE GIANT EXPLORER」はアメリカ横断、そして現行の第4部「BLUE GIANT MOMENTUM」はニューヨーク。
意図的に作られた「遠回り」の世界中団がジャズだけでなく、その土地の音楽と人のいまを反映した年代記のようでもあり、単にジャズ漫画というだけでない広がりを持っています。面白いのはこの作品の主人公は確かに「後に世界一となる」と示唆されているサックスプレイヤー宮本大なのですが、彼はかなり首尾一貫している人間であり、人間ドラマとしては彼に巻き込まれて変化していく人々がむしろ視点になっていること。「スケールの大きさ」を描く手法としてぴったりで、ジャズという世界の広がりと、主人公の強さを何度も再確認でき、よくここまで何度も感動させることができるな、と驚く。
面白いのはアーティストの残酷な世界における実力と才能には非常に真摯で、ある種ドライであるということ。無理に過去のキャラクターを引き上げたりせずに「相棒」を切り替えていくやり方は音楽の厳しさとドラマを次々と生み出している印象。
もちろん現代ジャズの漫画としてもよくできていて、人によっては古い存在だと思われているジャズも時代の変化とともにそのジャンルを拡大する様な異端児が生まれてきており、ジャズというジャンルの革新を感じつつ、ジャズを一度は聞きたくなるパワーを持っています。とにかくこの「大河ドラマ」としての流れが非常に面白いので、ぜひ近刊まで読んでほしい!
今週の1曲
Perfume/巡ループ
電子音なイメージのPerfumeがめちゃくちゃ90年代なシティポップ風の新曲をリリースしていて驚きです。世界的には90年代シティポップって非常に注目されているので、そうした流れを受けつつ、「ちはやふる」の主題歌らしいのでその流れも受けた青春ノスタルジーってことなんでしょうか。声にあっててすごくいいですよね~
曲のタイトルと合わせて振付が過去の曲の振りを混ぜ合わせたものになっていて、ファン的には「もしや活動一区切りなのか!?」と怯えているみたいですが…個人的にはこの曲はめちゃくちゃ好きです。
最後までお読みいただきありがとうございます。もし内容が良ければ登録ボタンより、次回のニュースレター配信をお待ちください。
最後に!
仕事のご相談はこちら!
Xでもほぼ毎日発信してます!
すでに登録済みの方は こちら