「鏡」の常識を壊すドンキのヒット商品と、19万円の参加型ノートパソコン制作ワークショップ 25年8月第2号
忙しいあなたのためのマーケティング情報サプリメント。週に一度、厳選されたトレンドと洞察をまとめていきます。これを読めば「主要なトレンドをキャッチできる」、そういった想いで届けてまいります。まずはご登録をお願いいたします。
マーケティングトレンドインプット 今週のクイック解説3選
ドン・キホーテ「ウソをつかない鏡」。「鏡の常識」の破壊と、新価値の付与の巧みさ
そもそも鏡に「反射率」という概念があることを知っている人はどれだけいるのか。鏡の専門家かかなりの美容オタクでないと知らないことだと思います。この鏡を評価する別基軸の視点を持ち込み、そしてその価値を「ウソをつかない鏡」というネーミングに昇華する。インサイトの発見から商品設計まで、すべてが美しく統制されたことが何より素晴らしいですよね。
現代はそもそもスキンケアや化粧に関する情報が爆発的に増え、女性の美容リテラシーは飛躍的に上昇している状況。更にInstagramやTikTokのフィルターによって盛られるのが当たり前の中で、自分本来の美しさが「迷子」になりやすい時代でもある。その中で自分の真実と向き合い、必要なケアをしていくために本来の自分が映し出されるデバイスが必要なのだ、という気付きを提供している。
そこにみんなが知っているシンデレラの逸話を活用して「嘘をつかない鏡」というネーミングにしている。これを「真実が見える鏡」だと、それはそれで分かりやすいものの、名称としてエグみが強すぎるわけで、ワンクッション入れたことが分かりやすさにつながっていると思います。
もちろん「嘘をつかない」鏡は試したくなるわけで、SNSでのUGC=試してみた系のコンテンツとの相性が抜群なのも強い。もしかしたら美容感度の高い女性の標準装備になるかも。
ノートパソコンの参加費19万円の子供向け手作りワークショップが有効なブランドチャネルになるワケ
パナソニックコネクトが開催した小中高生を対象にした「Let’s noteを自作できるイベント」を開催。なんと参加費は19万円。なんで高額?その理由はワークショップ終了後にレッツノートのPCがもらえるから。要は販売イベントなんですよね。最新モデルは通常価格30万円なので実は4割も安く、お得なんです。
面白いのはここにブランド継承の構造があること。レッツノートと言えば、ビジネスユースで広く使われている商品。日常的にレッツノートを使っている親からすれば、自らの子供を自分のなじみあるPCのワークショップに連れていく心理ハードルは低めですよね。
レッツノートはノートPC市場では比較的高めの商品であり、純粋な価格勝負では競合には勝てない。なので販売チャネルとしてブランドロイヤリティの高い親を経由し、さらにワークショップという特別な体験で、小中学生のうちから子供との接点を形成する。巧みなブランドチャネルのクリエーションともいえるんです。もちろん子供としてはワークショップで作ったノートPCは特別なモノになるわけですし、原体験にもなる。
加えてスマホの進化によってそもそも子供がノートPCを持つ機会は減っている。そもそものノートPCとの接点創出としても有効な施策なんですよね。
ゼンリン「有人離島カード」 持っているアセットを広く活用できる「トレカ」というカタチ
アイドルやアニメだけでなく、城や刀、ダムですら推しの対象となる時代。そんな中で「島」に着目して「推し化」するアクションは納得度が高いです。特に島は歴史や自然と言った複合的な価値を持っており、人々のノスタルジーや秘境に対するあこがれを刺激する特別な魅力がある。
トレカは面白いデバイスだと思っていて、価値を1枚の紙に凝縮し、それをコレクションする収集欲を刺激する。しかもカード1枚自体はとても軽く、生産コストも低く、サイズも薄く小さく、当然だが消費期限もない。「価値を凝縮したカタチ」として実に合理的な側面を持っているんですよね。ゼンリンのような多くの独自アセットを持つ会社が非常に利用しやすい仕組みでもあると言えます。
もちろん地域の視点から見てもとてもポジティブ。カードが売れる→離島への関心が高まる→旅行者が増える→地域の活性化という好ましいサイクルが生まれるポテンシャルを秘めていますし、島を知ってもらうという考え方もある。ゼンリンとしての地図のエンタメ化もいろんな可能性がありそうですよね。
源泉かけ流し!今週のマーケティング関連トピックス(今週は20個ご紹介!)
全国の大丸・松坂屋15店舗で、新たなシンボル「百様図(ひゃくようず)」を取り入れ、包材のデザインを一新
大丸・松坂屋のショッピングバッグが23年ぶりにリニューアル。
店舗としてのコンセプトを様々な人の価値観が重なりあう「百様」と設定し、それを図案化している。
これ、めちゃくちゃ素敵な柄ですね。そして非常にいま的なデザイン。これは欲しい。
今週はもう手に入るみたい。
「製茶業」の廃業増、2025年は過去最多ペース
「抹茶」が世界的なブームになっている一方で、中小の製茶業者の倒産は実は過去最悪ペース。
抹茶ブームで価格高騰する中で、業績が増益になっている企業もある一方で、業績悪化→倒産する企業も増加。茶葉のコストが上がったことで、対応できない事業者が倒産し、二極化しているみたい。
日本はパスポート保有率わずか17.5%…「若者の海外旅行離れ」3つの理由とは
日本人のパスポート保有率、知ってますか?
実は17.5%しかない。
つまり「海外に行ける」だけで日本人の1/5になる。もちろん卒業旅行で1回だけ、みたいな人も多いから、日常的に海外へ行く人なら…もっと少ない。
世界情勢、円安、世界的インフレもあり、行く人と行かない人はますます二極化。
高級腕時計好きもG-SHOCKを買う カシオがID統合で気付いた顧客の真実
顧客の解像度を高めたカシオのG-SHOCK。
1つのIDにデータを集積して分析した結果見えたのは、意外と「高級腕時計を買う消費者」の2本目、3本目としてG-SHOCKが買われているという事実。
確かにこれは時計好きの実感値としてもありますよね。
分析の良き活用方法。
仕事がはかどる耳栓? 4年で売上200倍、欧州発ブランド創業者に聞く日本戦略
4年で売上が200倍になっているオランダ発の耳栓ブランドLoop。
面白いのは耳栓としての複数の機能を持っていること。
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睡眠の質向上
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フォーカスする際の音遮断
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ノイズの除去
単純な「音を消す」ではなく「音を調整する価値」があるというデバイス。
「BAKUNE」ギフトで爆売れ でもテレビCMで“ギフト”とうたわないわけ
リカバリーウェアのBAKUNEはギフトで売れてるらしい。
確かに僕もBAKUNE、ギフトでもらいました。
誰でも寝るし、パジャマにこだわりがある人は少な目なのであげやすいよね。サイズちょっと違ってもアリ。
そんなギフト需要のために、すぐ買えるオフライン店舗を拡大中。適切な接点拡大。
結婚式都内クチコミNo.1のCRAZY、初のレストラン「CRAZY GRANDE MAISON」を横浜市 みなとみらい21地区に開業
結婚式のCRAZYが初のレストラン業態を横浜に開業予定。
レストランサービスだけでなくウェディングも提供。
「特別な日を過ごすレストラン」を先に作り、そのレストランでのウェディング提供をしていく、というブランド拡張は面白いですねえ。
レストランとしても体験価値重視。
没入感を高める設計
「たんぱく質がとれる水」飲んでみた【Watch+】
『たんぱく質がとれる水』というストレートな名称の水がセブンイレブンに。
味はほんのり桃
タンパク質の含有量は5gだが、日常の水分補給でタンパク質が取れるのはラク。
特にダイエットや筋トレをしてPFCバランスを気にすると体重×1.5倍とることになる場合もあるので、日常に入り込むのは大きい。
「現代版トキワ荘」ウマ娘に続け サイバーエージェント、IP創出へ
エンターテイメントの会社としても存在感を高めているサイバーエージェント。
現代版トキワ荘として、数百人の中から選ばれた19人の漫画家の卵が集まる生活費まで支援するアパートメントが完成。
ウマ娘が海外で大ヒットするように、自社のIPはグローバルで稼げるアセットだよね。
なぜ鳥取は漫画全巻を買い、和歌山は木刀を買うのか?-メルカリ「売りがち買いがち大調査」
話題になったメルカリの「売りがち買いがち大調査」企画、その設計の裏側をメルカリマーケ責任者が解説。
日本人にはみんな「地元」がある。そんな地元に関するツッコミしろのある調査をすることで、自然と発話が発生するデザイン。
全国サービスであるメルカリだからこそできるアクションでもある
花王ヘアケア改革、Z世代向け高価格品で総仕上げ I-neに挑戦状
花王のヘアケア改革は進行中。
メリハリのついた消費に備え、高価格帯のプレミアム商品ブランド新発売と、安価な既存ブランドのリニューアルで全方位に対してアピールできるようにポートフォリオを整理中。
落ち続けていた花王のヘアケアシェアも回復中。
人気のバービー人形に1型糖尿病のモデルが登場 1型糖尿病への理解と認知を世界に拡大
「1型糖尿病」のモデルのバービー人形があるらしい。
これは素敵な施策だと思います。
血糖値モニターやインスリンポンプを身に着けているバービー。
1型糖尿病は普通の糖尿病とは異なり、ライフスタイルとは関係なく発症する原因不明の病。その疾患への理解を広めるためのバービー人形なんです。
「ベーカリーツーリズム」は、Z世代とグルメ好きにとって新しい甘い旅行トレンド
みんな大好きなパン。
美味しいパン屋を求めて世界を旅する「ベーカリーツーリズム」をする人もいるらしい。
確かにパンってその地域の特性を取り込みやすい食べ物。さらに個人商店が強い領域で「そこにしかないパン屋」も多い。
焼きたてが美味しいから、そこに食べに行く理由もあるし。
あなただけじゃない ― この夏、いい新曲がない
海外では2025年の夏は新曲がヒットしない夏になっている。
1-2年前のヒット曲がチャートの上位を依然として占拠し続けている。日本でもその傾向はあるよね。
別に新曲がないわけではない、なんなら新曲の数は増えている。でも、その新曲を見つけるのは大変。だからこそ耐久性のある曲が聴かれる。
バンクシー、1万円でオーナー 若者が生む小口投資の新潮流
1万円でバンク氏―、10万円でランボルギーニ。
アートや高級車を分割して小口所有するサービスが若年層に人気。NISAなどをきっかけに投資意欲が広がったこと、アートへの関心の高まりが両輪で需要を拡大。
なんとアートのサービスは20-40代が8割。
世界初「マルニ カフェ」がギンザシックスに、アサコ イワヤナギのフルーツパフェ&ロゴ入りカプチーノ
世界初、イタリアのブランド「MARNI」のカフェが銀座SIXにオープンする。
画像の非常に美しいカフェ、なんと価格は7920円。世田谷の人気パティスリーとの開発商品。
高級ブランドの食への進出は止まりません。価格帯を見ると、まさにブランド体験の場としてのセッティング。
楽天モバイルがSIM自販機「最強くん」を披露、AIアバター接客も開発 いつでもどこでもスマホを契約できる世界へ
楽天のイベントで展示されていた「SIMの自動販売機」最強くん。
いつでもどこでもSIMが開通する未来はなかなかスゴイですよね。でもSIMやeSIMはインバウンドでも需要があるし、自販機というチャネルが使えるなら様々なプランの幅も広がりそうです。
ちなみに海外でSIMの自販機、見たことある。
NOT A HOTEL、ジェットやヘリコプター、クルーザーなど多彩なモビリティを必要な分だけ所有できる新事業「NOT A GARAGE」をスタート
NOT A HOTELは「住」から「モビリティ」へ。
ヘリコプター、クルーザーなどを必要な分だけ所有できるサービスがスタート。
別荘同様に、クルーザーやジェットも所有したとてしょっちゅう使うものではない。
NOT A HOTELの分割所有の仕組みが自然に活用できる横展開。
ユニバーサルバッグ | Anya Hindmarch JP
アニヤハインドマーチ×各国のスーパーマーケット、という面白い視点のコラボトートバッグ。
ホールフーズやテスコ、シティスーパーが参加。
そして日本ではナショナル麻布!
100%リサイクル素材なエコバッグの進化系。「最も身近な」スーパーに着目するのは面白いよね。
女子プロレス「カッコカワイイ」で若い女性魅了 アイドル文化注入
女子プロレス人気が上昇中。
最大手のスターダムは全体の2割が女性客に。
youtubeやTV番組出演など露出が増えることで選手の魅力が伝わる好循環が起きている。グローバルでも独自のポップカルチャーとして人気に。
アイドルと同じように「推す」イメージで広がり。
海外現地調査レポート:ブルックリンの大人気インディーズ書店「Books are magic」
Books Are Magicは開店して8年、ブルックリンの地元民に愛されるだけでなく、ニューヨーカーの「目的地」にもなっている人気インディーズ書店です。小説家のエマ・ストラウブと夫が開業した書店で、人気小説家が営む書店としても開店当初から注目されていたらしいです。
人気の書店といっても、コブルヒルとブルックリンハイツ、ブルックリンエリアに2店舗だけ。増やす予定もないらしく、地域密着型の書店として人気なんです。

僕が行ったのは2店舗目の方のブルックリンハイツ地区モンタギュー通りの方ですね。ちなみにGoogleMAPの評価は驚異の4.8。地域に愛されてることがよくわかります。
まず目に入るのは黒地にピンク文字で大書された屋外の壁面ペイントや店内のネオンサイン。

ポップで温かみのあるデザインは撮影スポットでもあり、店のブランド化に貢献してます。みんなこぞって写真を撮るので、勝手に店舗の宣伝になっているのは強いですよね。書店に行くのはハードルがとても低いわけですし。トートバッグやマグカップ、ピンバッジなどオリジナル商品のデザインも優れていて、発売直後は即完売。ニューヨークでも「ステータストート」=持っているだけで本好きと示せるステータスアイテムだと言われているらしいです。

本屋のトートバッグと言えば、パリにあるシェイクスピア&カンパニーという本屋のトートバッグがステータストートにもなってますが「書店のバッグ」はいやらしすぎないアピールになるということなのかもしれないです。

そんなライフスタイルブランド的側面を持つBooks are magicですが、もちろん書店としても調べてみると非常に面白い。毎月店主が選ぶ新刊ハードカバーを届けるサブスクリプションをやっていたり、イベント開催が非常に多くほぼ毎晩何らかのイベントが行われているレベル。最盛期はなんと年間400-500回規模のイベントがお紺われていて、書店を単なる本の売り場でなく、人々が集う場所として再定義しているんですよね。

はたらいている人のモチベーションも高く、店舗の中では店員の書いた熱いPOPがたくさん見られます。スタッフおススメのコーナーや独自の選書のコーナー展開、流れている音楽も店員が作ったプレイリストだったりして、とにかく情報量が多く、広くない書店ながらとても旅行者である僕も非常に楽しい場所になってます。

本との出会いをプロデュースする編集型書店、そして地域のコミュニティとして世界のお手本となるいい書店でした。ぜひブルックリンへ訪れた際は書店好きにおススメです!

明日から効く!マーケティング/ブランディング関連書籍レビュー
新トリプルメディアマーケティング 3要素の連携を仕組み化し、戦術を最適化する 横山 隆治他
マーケティングに関わっている人ならトリプルメディアという考え方は聞いたことがあると思います。オウンドメディア、アーンドメディア、ソーシャルメディアの3つですね。このトリプルメディアを提唱した横山さんが新たなに令和の時代に合わせてトリプルメディアをアップデートした解説本がこちらの本です。

上記画像は本著書Amazonページより引用
横山氏だけでなく、トレンダーズやアドインテなどリテールやソーシャルなどメディア専門家と一緒に書いた共著となっており、この新都るプルメディアの詳細解説を丁寧に行っているのが特徴です。新たな3つというのは、SNS、コンバージドTV(テレビ+ストリーミング広告)、リテールメディアの3点。テレビ1強時代からの変化をどう語るか?という日本のメディア論において重要な一説だと言えるでしょう。
かなり上級者向けというか具体的にメディアについて突っ込んで考えている人向けですが、個人的にはかなり納得感があり、このトリプルメディアの考え方が広まるかはともかくとして(この概念はかなり以前のトリプルメディアの考え方に対して難解であり、メディア知識が求められる)、この考え方はぜひマーケティング従事者は理解するべきだと思っています。特にテレビ広告の捉え方は非常に突っ込んで書かれており、テレビ一強時代は確かに終わった一方で、テレビが依然として持つ強い価値に関しても冷静に捉えており、非常にバランスがとれています。
難しいのはこの3つは多くの企業のマーケティング現場においては確実に担当者が分かれている概念であり、この理論は感覚的には全体像を捉えているものの、果たして統合的に運用できる会社は存在するのか…という疑問もわいてきます。ある意味現代のマーケティングが非常に複雑化しており、全体戦になりつつあることを苦心して表現した結晶とも言えますが、このニュースレターの皆さんもこうした高度統合が求められる案件に直面した際は、ぜひ私にご相談ください笑
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売り込みはさておき、私は本当にいい本だと思いますのでおススメします。あくまで上級者向けです。
1年後に効くかも?あなたにおススメなインプット
らーめん再遊記
今週は私がTOP5に好きなシリーズを紹介します。それが「ラーメン発見伝」「らーめん才遊記」と続くこのシリーズ。
ネットミームでは「ラーメンハゲ」と呼ばれるラーメン界のカリスマ、芹沢さん。過去2シリーズでは強力なバイプレイヤーとしてシリーズを盛り上げていたのですが、そんな芹沢さんが遂に主人公になったのがこの最新シリーズ。
このシリーズはかなり珍しい「ラーメンマンガ」なんですが、ポイントは「ラーメンビジネスマンガ」であるということ。単なる味だけでなく、どうやったら売れるのか(あるいはなぜ売れないのか)、経営者はどうあるべきなのか、お客さんの捉え方など、実に多角的な視点でラーメンを題材に掘り下げているのが特徴。しかもその視点は超ドライ。お客様は神様ではない、美味しいからといって売れるとは限らない、カリスマでも衰えていく…
このシリーズはそんなドライなアプローチが頂点に達している「ミドルエイジクライシス」の漫画でもあります。主人公となった芹沢さんは依然として天才的なラーメン職人であり優れた経営者でありながらも、自分のあり方に迷いがある状態。そんな彼が、同じく悩みを抱える職人たちと絡んでいく「枯れ」を描くエピソードが多いんです。
加えてこの作品のもう1つのテーマが「ラーメンの形式」について。一般的な料理漫画って、結構エキセントリックな料理が多くなる傾向にあります。このシリーズも、物語が展開するときや解決する時にはそうした強烈な発想のラーメンが多く登場していました。しかしこの作品ではそうしたスペシャルなラーメンに対して冷静な見方をしていて、しょうゆ、しお、トンコツのような一つのジャンルになるような「形式」とは何なのか?を合わせて追いかける物語になっているんですよね。
ど派手な展開や美しい絵、そういったものとはまた別のジャンルの漫画ではありますが、ビジネスに興味がある人なら絶対に面白い作品です。超おすすめ。
今週の1曲
ちゃんみな - SAD SONG feat. No No Girls FINALISTS / THE FIRST TAKE
2週連続でNo No girls関連となりましたが、マーケティング・ブランディングとして秀逸だと思っているので紹介させてください。この2か月で2000万再生とかなりの速度で再生されているファーストテイクはかなり複雑な構造になっています。
歌っているのは、ちゃんみなとオーディション番組No No girlsの最終選考に残った10人。No No girlsは最終選考の10人から7人が選ばれてHANAというグループになっているのですが、あえてこのファーストテイクでは「No No Girls FINALISTS」というくくりで呼ばれている。
このSAD SONGという曲は5年以上前に公開されたロックナンバーの別れをうたったラブソングで、No No girlsにとってはファイナリスト全員で歌った思い出深い曲でもある。これをファーストテイクという残る場所で、原曲とは異なるバラードアレンジにして特別な形にしてファイナリスト全員を送り出す。敗者が常に存在するオーディション番組は盛り上がる一方で選定されたメンバーとそうでないメンバーでもやもやが残りやすい構造。これを完璧に締めくくって見せる、オーディション番組のストーリーテリングとしてはあまりに優れた仕組み。
できるだけ全員を置いていかない、素晴らしい設計になっていて感動なんです…
最後までお読みいただきありがとうございます。もし内容が良ければ登録ボタンより、次回のニュースレター配信をお待ちください。
最後に!
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